2019 年 3 巻 1 号 p. 35-43
専門学校における従来の学習継続困難、中途退学に関する研究では、経済的な側面や「学力」の側面から検討されてきた。本研究では、非認知能力の人間関係形成能力をキーワードにして、介護福祉士養成専門学校で学ぶ学生の学習継続困難要因、背景、教員の対応に焦点を当て検討した。結果、課題としては、【構成員からの離脱】【自己中心的な世界観】【孤立させる行動】の概念を生成し、背景では、【理想の子ども像】【スキル形成機会の剥奪】の概念を生成した。教員の具体的支援については、≪個別面談≫≪個別指導≫≪他の教員との情報共有≫≪家族への連絡≫の4つのカテゴリーを生成した。
結論として、人間関係形成能力の発達途上に学習継続困難となる課題が生じていることが示唆された。