敬心・研究ジャーナル
Online ISSN : 2434-1223
Print ISSN : 2432-6240
高度成長期の生涯教育論に対する持田栄一の論駁
吉田 直哉
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2023 年 7 巻 2 号 p. 43-52

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抄録

本稿は、教育行政学者・持田栄一が1970年代に提示した「生涯教育」論に対する論駁を検討し、そこで彼の近代公教育批判という主題が反復されていることを明らかにする。生涯教育論に対する持田の批判は、近代公教育の前提にある「家庭教育中心主義」への批判を前提としている。そして、現代資本主義社会において脆弱化した家庭教育を、独占資本の主導下において、福祉国家が代替し再編・制度化しようとするところに、教育の全面化としての生涯教育が提起されていると断ずるものであった。

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© 学校法人敬心学園 職業教育研究開発センター
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