ビタミン
Online ISSN : 2424-080X
Print ISSN : 0006-386X
6.グルタチオンペルオキシダーゼ(<シリーズ>バイオファクター研究のブレークスルー : グルタチオン)
建部 厳高橋 和彦
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 76 巻 11 号 p. 545-549

詳細
抄録
グルタチオンペルオキシダーゼ(Glutathione peroxidase;GPx)はSOD,catalaseなどと共に生体内での主要な抗酸化酵素であり,細胞内外に広範に分布している.GPxの最大の特徴はその活性中心に必須微量元素セレン(Se;selenium)を含むことである.Seが生体に必須であることは1950年代から徐々に認知され始めており,ヒトでは野菜や食肉からの有機SeがSe源となっている.Se摂取量が低いと考えられる低Se地域の住民に心筋症や大腸癌,乳がんなどが認められ,体内でのSe含有量と発症率が負の相関性を示すことなどが知られている.Seは生体内でセレン含有タンパク質として存在しており,なかでもGPxは最も古くから知られ,比較的詳細な研究がなされている.本稿ではこれまでのGPxに関する研究と,本研究室で得られた知見について紹介する.
著者関連情報
© 2002 日本ビタミン学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top