抄録
私たちにとって先例なく授けられた「人生百年」は決して手放しで喜べる事態ではない。いつまで健康寿命を維持できるか、またいつ次のパンデミックが襲ってくるかなどの不安に加えて、蓄積する対人ストレスや長引く不況が大きな波紋を投げかけている。
そこで本稿では敢えて、これまでどちらかといえば通じにくいと敬遠してきた笑い・ユーモアに目を向けてみる。ピンチとも捕らえられる今を、従来であれば使うことを躊躇してきた種類の笑いにも食指を動かしてみるチャンスと受け止める。
具体的には、からかう笑いを手始めに本末転倒や撞着、不運や皮肉の笑いを取り上げる。そしてこれらの笑いを今後、高次元のユーモア・スキルとして活用していける可能性を模索する。
各人がユーモアを生涯に渡り錬磨し続けていく。その波動が拡散しつつ浸透して、ひいては社会全体をも明るく照らす活力となる。そんな循環へ繋がることを願いとする。