笑い学研究
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《研究ノート》「緊張の緩和」理論の実証研究
熊谷 圭太野村 亮太
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 32 巻 p. 49-58

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抄録
二代目桂枝雀が提唱した「緊張の緩和」理論は,笑いが生じるメカニズムを説明する理論としてよく知られているが,その実証的な研究はほぼみられない.本研究では,実験的に操作された緊張と緩和の要素が,笑いを増強するか否かを検討した.また,室温の高さが「活動性の高い人」というように印象評定に影響することを利用して,観客による演者への印象が緊張の緩和による効果を高めるかについても検討した.まず,大学生40名に難度の高いTパズルを解いてもらうことで緊張の程度を高め,その後,異なる室温(29℃/20℃)で心理的緊張を緩和するかどうか(ストレッチにより緊張を緩和する群または参加者自身にパズルの解き方を説明するよう求める群)に割り当てた.緊張緩和の操作について心拍の指標で確認した後,お笑いライブの動画を視聴中の表情,主観的評定値を比較した.その結果,条件間での得点差よりもネタ間での得点差の方が大きく,実験的に操作した緊張の緩和の効果に比べて,ネタの要素による効果の方が大きいことが明らかになった.
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