抄録
短い時間のなかで登場人物がどのような人物かを伝える必要がある笑いにおいて、登場人物の属性はどのように描写されているのか、また視聴者はその描写にどのような反応を示しているのかを分析、考察した。事例としてYouTubeで公開されているショートネタのうち、多くの視聴者にとって日常の属性を描く土佐兄弟の「高校生あるあるネタ」と、非日常の属性を描く見取り図の「南大阪のカスカップルネタ」を取り上げた。
分析の結果、どちらも属性のポジティブな面、ネガティブな面の両方を描いていた。視聴者の反応には違いが見られ、多くの視聴者にとっての日常の属性を描いた場合は共感や視聴者の経験を語り他の視聴者からの共感を得ている一方、非日常を描いた場合は描かれる属性像と自身を結び付ける高評価を得たコメントはなかった。多くの視聴者にとって非日常の属性を描いた笑いについて、コメント欄を通じて視聴体験を共有するなかで、多くの視聴者が楽しむネガティブな描写を否定する人々の意見は受け入れられない傾向にあった。