2017 年 62 巻 3 号 p. 110-116
土壌圧密程度の違いがマルバルコウの出芽可能深度や出芽数に及ぼす影響を検討するために圃場試験およびポット試験を行った。圃場試験では,灰色低地土で圧密程度の異なる処理区を設置し,出芽数・出芽深度等を調査した。ポット試験では,灰色低地土およびマサ土で土壌圧密程度の指標として仮比重を用い,仮比重が低い区(耕起播種した区に相当),仮比重が高い区(耕起後踏圧し部分耕播種した区に相当)およびその中間の3水準での出芽試験を行った。
圃場試験でのマルバルコウの最深出芽深度は仮比重が低い区では8 cmであったが仮比重が高い区では4.5 cmと,仮比重が高くなると最深発芽深度は浅くなり,ポット試験でも同様の傾向を示した。ポット試験でのマルバルコウの出芽率は,いずれの土壌でも播種深度1 cmでは全ての仮比重の区で95%以上と高かったが,播種深度5 cmでは仮比重が高くなるにつれて出芽数が減少し,播種深度10 cmでは全ての区で出芽が認められなかった。
以上より,土壌の仮比重を指標として土壌圧密の違いがマルバルコウの出芽可能深度や出芽率に及ぼす影響を評価したところ,仮比重が高いほど深い位置からの出芽が妨げられることが明らかとなった。