茨城県では県西地域を中心に麦類作付け圃場でカラスムギ(Avena fatua L.)の発生が問題となっている。防除対策として土壌処理剤の利用が有効であるが,効果的に使用するにはカラスムギの出芽動態を考慮する必要がある。本研究では,県内全域の10集団から採種したカラスムギを用いて,発芽試験により種子休眠性を評価するとともに圃場試験によりカラスムギの出芽動態を調査し,種子休眠性の集団間差異を評価した。発芽試験の結果,1集団で浅い休眠程度,2集団で中程度,2集団で中深程度,5集団で深い休眠程度を示し,集団間差異が認められた。休眠程度が浅~中深であった5集団は圃場における出芽が斉一で年内に出芽揃期まで達したが,休眠程度が深かった5集団は圃場における出芽が長期に渡り,出芽揃期が4月上旬の集団も認められた。休眠程度が浅~中程度の集団では未出芽種子の生存率が0~3.7%と低かったのに対し,中深~深の集団では12.3~57.0%の生存率となった。生産現場でカラスムギ防除を行う際,休眠程度が深い集団は除草剤のみによる防除が難しいため,耕種的防除等を併用する必要があると考えられる。