雑草研究
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長崎県における畑麦作の雑草に関する研究
II. フラサバソウの生態と防除法
鶴内 孝之
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1971 年 1971 巻 12 号 p. 32-36

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抄録

1) 長崎県における畑麦作の重要雑草, フラサバソウの生態的特性と除草剤による防除法を検討した。
2) 5月に成熟したフラサバソウの種子は, 畑土壌中で10月には休眠から覚醒する。
麦播種後の出芽の推移は, 地温の比較的高い条件では速やかでかつ斉一であるが, 低い条件では長期間を要する。いずれの場合もヤエムグラとよく類似している。
3) 出芽後の生育経過は, 開花始2月中旬, 開花盛期3月下旬, 開花終期4月中旬, 落実開始4月30日頃, 完全枯死は5月20日頃であった。すなわち当地では典型的な越年生雑草ということができる。
4) 出芽の深度もヤエムグラに似てかなり深く, 平均は25mm, もっとも深いものは60mmに達した。
5) 以上の特性から, CIPCの土壌表面処理は除草効果は不十分で, ioxynil・PCPの生育期茎葉処理が有効である。

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