雑草研究
Online ISSN : 1882-4757
Print ISSN : 0372-798X
ISSN-L : 0372-798X
ホタルイ属雑草の生態と防除に関する研究
第1報 イヌホタルイ種子の稔実経過と発芽性
石倉 教光曽我 義雄
著者情報
ジャーナル フリー

1978 年 23 巻 1 号 p. 19-23

詳細
抄録

8月上旬に開花したイヌホタルイ Scirpus juncoides Roxb. var. ohwianus T. Koyama の種子の稔実経過と発芽性について検討し, 大要, 次の結果を得た。
1. 種子は開花1か月後に最大乾重となった。また, 種皮は稔実初期に緑色を呈したが, 次第に褐色へ変わり, 完熟期には黒褐~黒色となった。
2. 種子は開花10日後ごろから発芽能力を得てくるが, 当初の発芽能力は低い。しかし, 開花1か月後には100%近い発芽能力を示した。
3. 種子の休眠性は種皮の緑色の時期にはみられず, 種子重が完熟期の70~80%以上となる時期ごろから備わった。
4. 種子の休眠性は, 20か月間の風乾貯蔵中維持された。

著者関連情報
© 日本雑草学会
前の記事 次の記事
feedback
Top