雑草研究
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圃場におけるタイヌビエの生育とピペロホス・ジメタメトリン粒剤の効果
岩崎 桂三榎原 敏男出野 粂太郎綿島 朝次萩本 宏
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1978 年 23 巻 1 号 p. 23-28

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抄録
圃場におけるタイヌビエの生育を, 気温との関係において把握するために, 灌水時期および灌水後日数とタイヌビエの生育の関係を, 1972年以来4年間にわたって調査した。また, 生育ステージのばらつきについても調査し, これらとCG 102の除草効果との関係を併せ検討した。
1. タイヌビエの生育は灌水時期によって異なり, 灌水後の目数が同じであっても, 灌水時期が遅いほど生育は進んでいた。しかし, 灌水時期が異なっても生育ステージが同じであれば, その変動係数はほぼ等しく, また, 生育が進むに従って生育ステージの変動が大きくなったが, 変動係数は1葉期以上でほぼ一定であった。
2. タイヌビエの葉期および草丈と灌水後の積算平均気温との相関係数は極めて高く, +0.95以上であった。また, 第1葉の展開に要する積算平均気温は214.9℃, 1葉期以上において1葉の展開に要する積算平均気温は98.3Cであった。
3. タイヌビエの地上部乾物重は指数函数的に増加し, 乾物重の常用対数 (Y) と葉期 (X) との間の相関係数は+0.995であり, その回帰式はY=0.4704X-0.3877であった。
4. CG 102は平均2.3葉期のタイヌビエに対して極めて高い効果を示したが, 3.1葉以上のタイヌビエが平均2.3葉期のものの約7倍も存在した平均2.4葉期のタイヌビエに対しては, 効果に低下を来した。
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