抄録
圧縮画像を評価するのに客観評価値としてSN比がよく用いられている。しかし、SN比が等しくても観察したときの印象は大きく異なり、画像に依存していることが知られている。画像に依存せず、主観評価値とよい対応を示す尺度を作成することを目的とし、原画像と圧縮画像の明度差および色差に基づく尺度を導入した。さらに、画像の観察時のぼけを考慮し測色値の平均から求める平均明度、平均色差も導入した。SCID中の4枚の画像から圧縮画像がJPEGとHPKを用いて作成された。原画像と圧縮画像を比較しながら観察して求めた主観評価値とSN比、明度差、色差、平均明度差、平均色差との相関を調べた。その結果、平均色差が主観評価値との相関係数が最も高かった。