画像電子学会研究会講演予稿
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画像電子学会第222回研究会講演予稿
セッションID: 05-05-12
会議情報

16:15-16:55 座長:森本 一成(京都工芸繊維大学)
《招待講演》 JPEG2000 のHDTV 応用
- HDTV 番組制作システムの開発とIP ネットワークによるスケーラブルな低遅延伝送技術 -
*久下 哲郎
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会議録・要旨集 認証あり

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抄録

Wavelet 変換による符号化方式JPEG2000 は、従来のJPEG などDCT 符号化に比べ、約2 倍の符号化効率を有すると同時に、スケーラビリティ(異なる解像度・画質の映像が取り出せる映像の階層性)が大きな特徴である。一方、放送メディアは、HDTV によるBS-デジタル放送、地上デジタル放送を中心として、ネットワークへの番組配信や、携帯端末向けサービスの簡易動画など、多様な分野への展開が加速しつつある。JPEG2000 の映像階層性を活用することで、単一のHDTV 素材による「シングルソース・マルチユース」が実現でき、多様なメディア状況における番組コンテンツ制作(映像素材の収録・検索・編集など)の効率化が実現できる。このためコンパクトなPC ベースのJPEG2000-HDTV コーデック、Motion-JPEG2000 規格のPC 用ソフトプレーヤ、HDTV マルチキャスト伝送プロトコルなどの要素技術が開発され、これらを統合してJPEG2000 HDTV 番組制作システムのプロトタイプが試作された。さらに、JPEG2000 はfield 単位の符号化により、HDTV の現場取材映像をIP ネットワーク経由で低遅延に伝送する緊急報道用システムも試作された。このシステムでは24bit/16channel のデジタル音声の伝送も可能である。こうして、JPEG2000 のHDTV 応用への有効性が確認された。

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© 2005 一般社団法人 画像電子学会
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