日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
咬耗と咬合高径の低下を伴う審美障害に対して咬合再構成を行った症例
高嶋 真樹子
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2021 年 13 巻 3 号 p. 245-248

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抄録

症例の概要:患者は71歳の女性,上顎前歯部ブリッジ破損と下顎前歯部の咬耗による審美障害および咬合高径の低下,臼歯部欠損による咀嚼障害が生じていた.診断用ワックスアップを参考に製作した暫間被覆冠を利用して咬合挙上を行い,補綴および保存修復治療にて臼歯部の咬合支持と適切なアンテリアガイダンスを付与しつつ審美性の回復を図った.

考察:暫間被覆冠を利用して診査を十分に行ってから最終補綴に移行したことで,審美的,機能的に良好な結果が得られたと考えられる.

結論:臼歯部の咬合支持と適切なアンテリアガイダンスを付与したことが,長期的に良好な審美性と機能を維持することに有効であった.

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© 2021 公益社団法人日本補綴歯科学会
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