抄録
既存の AR アプリケーションの多くは物体のない平面を前提として設計されている.そのため,実物
体と同じ位置に仮想物体を配置すると,本来見えるべきではない実物体の一部が見えてしまい,適切な結果を得る
ことができない.そこで本研究では,AR 技術に一般物体認識と画像処理を組み合わせることで,実物体が視覚的
に消去され,実物体と同じカテゴリの仮想物体のみが表示されるシステムの開発を行った.本システムは,一般物
体認識で除去対象のカテゴリと領域を取得し,画像処理で対象を消去した画像を AR の背景として用い,認識した
カテゴリと同じカテゴリの仮想物体を配置するというものである.本システムは,スマートフォン 1 台で動作する.