本研究は、小型サーミスタ風速計により、風洞実験にてガストファクターを直接計測することを目的とした。まず、風速計の無指向性・プローブの器差が小さいことを確認した後、単体建物周辺の歩行者高さにおけるピーク風速の測定性能の検討を行った。小型サーミスタ風速計は約5Hzまでの変動を捉えることがわかった。建物側方の強風域では、ピークファクターとガストファクターは各々3.0、1.5程度で、同様の単体建物周辺流れを対象としたLESとよく一致した。また、野外観測によるガストファクターの推定式と定性的に一致する傾向が得られた。評価時間3秒の最大瞬間風速との関係や低風速域でのガストファクターの過小評価については、今後の課題である。