抄録
本研究では、k-εモデルおよび濃度輸送方程式を用いたCFD解析により点源発生の汚染物質拡散を予測するため、トラベルタイムを利用した乱流拡散係数リミッタを提案した。同手法では、トラベルタイムも放射性トレーサーと呼ぶ仮想トレーサーにより数値的に予測される。また、同手法を2次元一様乱流場における点源発生の汚染物質拡散予測に適用し、理論的に予測される拡散初期のトラベルタイムに比例した拡散幅の増加挙動を再現できることを示した。また、乱流拡散係数リミッタに含まれる3つのモデル変数の調整により、拡散初期および終期の乱流拡散係数および拡散幅を制御できることを示した。