2020 年 26 巻 p. 59-66
本研究は,鳥取放牧場風力発電所を対象とし,運転実績や気象データから風況特性ならびに運転特性を解析した.その結果,事前の風況調査では年平均風速は5.6 m/s と予測されていたが,実際は4.5 m/s であり,約20%の乖離が生じていた.同様に,5372 MWh の年間目標発電量に対して,過去の平均は4650 MWhであった.これらの結果から,風況調査が適切におこなわれていなかった可能性がある.一方,風速分布の形状は,一般的なワイブル分布の形状と大きく異なっていたことから,ワイブル分布を用いた風況解析の信頼性が疑われ,長期間の風況調査の重要性が示唆される結果となった.また,風の乱れによって約1ヶ月分の損失が生じていることが明らかになった.