薬局薬学
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Print ISSN : 1884-3077
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薬学部1 年生を対象とした患者向け製品情報資材に関する認知度および理解度についての調査研究
西野 潤一安永 愛理小澤 安里沙荒川 基記日髙 慎二
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2019 年 11 巻 1 号 p. 62-74

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抄録

要旨:「患者向医薬品ガイド」と「くすりのしおり」は,莫大な人的リソースとコストを費やして作成されているが,認知度はいまだ低い.本研究では,これら資材の普及と有効活用に向けた課題抽出および解決策を探る目的で,薬学部1 年生を対象に認知度と理解度を調査した.患者向医薬品ガイドとくすりのしおりの認知度はそれぞれ8.4%,25.4%,また患者向医薬品ガイドの全般的な印象は,分量が多い(92.0%),難しい(59.2%)等であった.さらに,理解度を正確に測定するために,記載されている用語を主観的理解度に加えて客観的に評価する新たな手法を確立し,両指標の相関性から用語としての適切性を検討した.“解熱鎮痛”は正確に理解されている割合が高かったが,“幼児”,“小児”など日常でも使用される用語や“グルタチオン欠乏”など専門的用語に関しては,認識の差異があることや,ほぼ理解されていないことが明らかとなり,誤投与につながる可能性が示唆された.

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© 2019 一般社団法人 日本薬局学会
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