2022 年 14 巻 1 号 p. 55-60
COVID-19感染拡大により,人同士の接触を回避するという観点から社会生活のあらゆるものがオンラインでの利用を原則にしたものへとシフトしつつある.薬剤師に関連する動きとしては,「オンライン服薬指導」が,改正薬機法により2020年9月から全国的に可能となった.そこで,患者が「オンライン服薬指導」についてどのように考えているかを明らかにするために調査を行った.その結果,患者の「オンライン服薬指導」の認知度は,10%程度と低い状況であった.しかし,約100%の患者が「オンライン服薬指導」を必要であると回答し,その選択理由は,時間的負担を重んじている傾向が推察された.一方で,「オンライン服薬指導」の問題点として,受診から医薬品の受け取りまでの時間的制約等が問題であることも明らかとなった.したがって,メリットだけでなくデメリットも考慮した対応を検討していく必要があると考えられた.