2022 年 14 巻 1 号 p. 48-54
薬局薬剤師は,残薬に着目して薬剤費を削減することにより医療費適正化への貢献が求められている.本研究では,東北6県に所在する当社保険薬局44店舗にて2018年11月~2019年1月に実施した残薬削減への介入状況を調査し,削減した医薬品内訳および付随する薬学管理料を明らかにし,薬局薬剤師による医療費削減効果を検証した.店舗1カ月あたり16,361.1円/(店舗・月)の医療費削減効果がみられた.この結果から,全保険薬局で同様の削減効果を得たと仮定した場合,当社の約1,000店舗で年間1.96億円,全国の約59,613店舗で年間117億円もの医療費削減に貢献すると試算された.残薬発生事由は,飲み忘れ,自己調節,受診日と処方日数のずれの順に多く,薬局薬剤師は残薬確認後の調整のみならず,残薬防止に介入することで,医療費削減に貢献できる可能性が示唆された.