薬局薬学
Online ISSN : 2434-3242
Print ISSN : 1884-3077
原 著
薬学部生における一般名と商品名による医薬品認識に及ぼす実務実習の影響
家田 正子宮本 朋佳細見 光一 竹上 学川畑 篤史
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2022 年 14 巻 1 号 p. 15-25

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抄録

【背景・目的】薬学部生は実務実習期間中,多くの医薬品を「商品名」で学ぶため,大学で習得した「一般名」の知識が実習後に低下する可能性が懸念される.そこで実務実習前後に「一般名」と「商品名」の理解度に関するテストを実施し,結果に影響を与える因子を解析した.【方法】近畿大学病院で実務実習に参加した学生64名を対象に,実習前,薬局実習後,病院実習後に「一般名」または「商品名」で表示された薬の薬理作用に対する知識を測るマークシート形式のテストを行った.【結果】実務実習により薬の「商品名」に関する知識が有意に上昇した一方,「一般名」に関する知識は変化しなかった.【考察】実務実習後,懸念されたほど薬の「一般名」に関する知識は低下していなかったが,実習期間中に「商品名」と「一般名」をリンクさせる学習を行うことが,大学で習得した知識を生かした調剤や処方解析を行うために役立つと考えられた.

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© 2022 一般社団法人 日本薬局学会
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