2023 年 15 巻 1 号 p. 52-61
一般生活者のOTC医薬品の備蓄状況を把握し,OTC医薬品のニーズを明らかにするために,イベント参加者を対象に質問紙調査を行った.具体的なセルフメディケーションの一つであるOTC医薬品を備蓄している者は76.9%であった一方,セルフメディケーションを実践していると回答した者は34.1%にとどまっていることから,セルフメディケーションの具体的な実践方法の周知が必要と考えられた.備蓄薬として挙げられたOTC医薬品は,急性症状に対して使用される医薬品が多かった.また,健康サポート薬局の要件の48薬効群のうち,備蓄があったのは23薬効群のみであった.そのため,セルフメディケーションでは,使用機会の多いOTC医薬品は種類が限られると推測できる.健康サポート薬局は,要件により48薬効群のOTC医薬品を取り揃える必要があるが,OTC医薬品の相談に応じる体制を整えれば,設置薬については再考の余地があると考える.