薬局薬学
Online ISSN : 2434-3242
Print ISSN : 1884-3077
ノート
OTC医薬品普及啓発イベント参加者の備蓄薬の実態調査を通じたOTC医薬品ニーズの分析
柴田 淑子 坂口 眞弓田中 雪葉押切 康子大部 令絵
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 15 巻 1 号 p. 52-61

詳細
抄録

一般生活者のOTC医薬品の備蓄状況を把握し,OTC医薬品のニーズを明らかにするために,イベント参加者を対象に質問紙調査を行った.具体的なセルフメディケーションの一つであるOTC医薬品を備蓄している者は76.9%であった一方,セルフメディケーションを実践していると回答した者は34.1%にとどまっていることから,セルフメディケーションの具体的な実践方法の周知が必要と考えられた.備蓄薬として挙げられたOTC医薬品は,急性症状に対して使用される医薬品が多かった.また,健康サポート薬局の要件の48薬効群のうち,備蓄があったのは23薬効群のみであった.そのため,セルフメディケーションでは,使用機会の多いOTC医薬品は種類が限られると推測できる.健康サポート薬局は,要件により48薬効群のOTC医薬品を取り揃える必要があるが,OTC医薬品の相談に応じる体制を整えれば,設置薬については再考の余地があると考える.

著者関連情報
© 2023 一般社団法人 日本薬局学会
前の記事
feedback
Top