山野研究紀要
Online ISSN : 2433-6424
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<論文>前置詞の多義と指導 : beyondの場合
大谷 加代子
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1998 年 6 巻 p. 11-18

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抄録

ひとつの語が複数の意味を持つ場合,それは多義語と呼ばれる。多義語の個々の意味(語義)は互いに関連を持つものだが,従来それらは辞書などで調べて別々に覚えるか,あるいは全く個人の直観に委ねて,推測-関連づけ-理解という過程を経て,付随的に修得されることが多かった。認知言語学では,カテゴリーや語,構文の持つさまざまな意味は,それぞれが自然な形で動機づけられたものとして,互いに関連したネットワークを形成するという立場を採る。本稿ではこういった観点から,beyondという前置詞の持つ複数の語義をネットワークにすることを試みた。そして大学生を対象にその前置詞がどのように理解,運用されているかを調査したうえで,ネットワークの持つ教育的可能性について考察する。

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© 1998 学校法人山野学苑 山野美容芸術短期大学
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