抄録
一般に, 繁殖能力は雌の記録しか得られないうえに遺伝率が低いため, 選抜の正確度は小さい。しかし, この選抜の正確度を高める試みとして, 選抜個体と血縁関係にある個体の記録を利用した家系指数選抜法がある。本研究は豚の繁殖形質について, 現在わが国で行われている系統造成の規模に即して家系指数選抜を行った場合の, 選抜の正確度ならびに世代あたりの遺伝的改良量について検討した。
遺伝率が0.05~0.20の範囲にある繁殖形質を選抜する場合, 個体自身の記録を含めた家系指数選抜の正確度は, 個体選抜の正確度に比べて, 1.9~2.5倍となることが明かとなった。一方, 産次の記録を重ねて同一個体の記録の数を増やしたり, 雄に対する選抜を強めても, 産子数の年あたりの遺伝的改良量の推定値には, 大きな変化はみられなかった。