前報に引き続き, 肉豚への効率的な飼料の給与法を明らかにするため, LW・D三元交雑豚54頭を3試験区に分け, エネルギー水準の異なる3種類の飼料, すなわち高栄養区 (TDN78%, CP15.1%), 中栄養区 (TDN74%, CP14.3%), 低栄養区 (TDN70%, CP13.5%) を3頭群飼で不断給餌した場合の発育を調べるとともに, 生体重105kg到達後屠殺して, 肉量および肉質に関連する特性を測定し, 比較検討した。
その結果, エネルギー水準の異なる飼料を無制限に給与した場合, 低栄養区は高栄養区に比べて明らかに飼料摂取量が増加し, 1日増体量は劣る傾向がみられ, 飼料要求率は両区間で有意に異なった。しかし, 枝肉中の赤肉量, 脂肪量および骨量には区間差が認あられなかった。
一方, エネルギー水準の肉質への影響については, 前報と同様に高栄養区ほど体脂肪の融点が低下し, 不飽和脂肪酸量は増加した。また, 高栄養区と低栄養区とでは, 一部の脂肪色のほか, 肉色について有意な区間差があり, トウモロコシ多給の高栄養区ほど, 肉色, 脂肪色が濃くなる傾向を示した。
同一の供試飼料を用いても, 群飼・不断給餌によった本報の成績と, 単飼・制限給餌によった前報の成績とでは若干異なることが示された。
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