日本養豚学会誌
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北京黒豚種における精巣の発達
伊藤 米人鈴木 博
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1993 年 30 巻 3 号 p. 207-214

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抄録

北京黒豚種の雄について, 精巣と精巣上体の発達および射精能力発現時期を調査した。研究には, 生後75日齢から360日齢までの29頭の雄豚を使用した。結果は, 以下のように要約される。
(1) 精巣および精巣上体重量は, 90日齢において39.2±7.8gおよび15.1±2.6gから165-180日齢では444.3±81.9gおよび86.7±8.2gとなり急激な増加を示したが, その後330-360日齢では735.0±99.0gおよび159.8±33.6gを呈し緩慢な増加であった。
(2) 精巣の組織学的観察では, 90日齢では1個の精細管中に数個の精祖細胞が観察され, 105日齢で精細管腔内に精子が出現した。120日齢では精細管の直径は約234.4±3.0μmとなり, 精上皮は成熟型となった。120日齢以後は, 精細管の直径および精上皮の構造に著しい変化はなかった。
(3) 精巣上体の観察では, 120日齢で精巣上体尾に初めて精子が出現した。射精能力の発現は, 5ヵ月齢であった。

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