日本養豚学会誌
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環境温度の日内変動幅が子豚の成長および消化率におよぼす影響
栗原 良雄池田 周平鈴木 伸一祐森 誠司伊藤 澄麿
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1996 年 33 巻 2 号 p. 25-29

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抄録

1日当りの積算温度 (温度総量: 温度×時間) を一定に保ち, 環境温度を日内変動させることが, 子豚の成長, 消化率におよぼす影響を検討する目的で試験を行なった。供試子豚は生後53日齢および62日齢のY×Lの交雑種8頭 (平均体重5.7±0.2kg) を用いて, 22日間飼育試験および10日間消化試験を行なった。試験区は各区1日当りの積算温度を504℃とし, 21℃一定 (対照区), 21±3℃区, 21±6℃区の3区を設けた。飼育試験の成績は, 平均増体量 (1日当り) では, 対照区が0.682±0.049kgを示し, 21±3℃区および21±6℃区では, おのおの0.660±0.053kg, 0.602±0.033kgとなり, 対照区との間に21±3℃区は有意の差が認あられなかったが, 21±6℃区は有意に低い成績を示した。平均飼料摂取量 (1日当り) は, 対照区が1.33±0.023kgを示し, 21±3℃区および21±6℃区は, おのおの1.30±0.06kgおよび1.15±0.02kgとなり, 平均増体量と同様の傾向を示した。飼料効率は, 対照区が51.1±2.0%を示し, 21±3℃区および21±6℃区は, おのおの50.5±2.0%および52.3±2.2%となり, 環境温度を日内変動させた影響はほとんどみられなかった。消化試験の成績では粗タンパク質ならびにエネルギーの消化率に対して環境温度を日内変動させた影響はほとんどみられなかった。

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