女性学年報
Online ISSN : 2434-3870
Print ISSN : 0389-5203
41 巻
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 2020 年 41 巻 p. 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/19
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  • 2020 年 41 巻 p. 2
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/19
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  • 「若い時期での妊娠・出産」奨励と、歯止めとなっていない男女共同参画
    斉藤 正美
    2020 年 41 巻 p. 3-22
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/19
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    本稿の目的は、「ライフプラン(ライフデザイン)教育」とはどのような内容や取組なのか、特色ある取組を行っている都道府県、特に高知県及び富山県を中心に、行政担当者や学校関係者等への聴き取り調査を行い、明らかになった現状と課題を指摘することにある。さらに取組が全国に浸透している要因の考察も行う。「ライフプラン教育」とは、国の少子化対策の交付金等により結婚を支援する「婚活政策」の一環で、地方自治体が中学・高校・大学生や市民に人生設計を考えさせ、若い時期での結婚や妊娠を増やそうとする取組である。
     聴き取り調査の結果、ライフプラン教育には、婚活企業の関係者や国の少子化対策等の審議会委員等、婚活や婚活政策の利害関係者が関与していること、また取組内容は、早いうちの結婚や妊娠を奨励し、LGBTや独身、子どものいない生き方、ひとり親など、多様性の確保に課題があることが判明した。共働きの家事・育児を自己責任で解決するよう、モデル家族に「三世代同居」を提示するなど、性別役割分業と自助努力が強調されていることも特徴であった。
     こうした課題を持つライフプラン教育だが、全国の自治体に浸透し、継続され続けている。その要因としては、「優良事例の横展開」という交付金のあり方に加え、男女共同参画との連携が交付金の採択要件とされたものの、2000年代前半の右派や自民党によるバッシングにより男女共同参画が後退し、歯止めとして機能しなくなっていたことが浮き彫りになった。さらに少子化対策として整備された少子化社会対策基本法、次世代育成支援対策推進法が、妊娠・出産や家族の役割を強調する法律であったことも影響していた。
     本稿は、2000年代以降の男女共同参画政策の変遷を踏まえ、地方自治体におけるライフプラン教育の取組に関する現状と課題を提示するもので、少子化問題の解決策と個人の自由意志による生き方の尊重が相反しないあり方の検討に資するといえよう。
  • 家族賃金・能力主義・個人単位化などの概念の多義性と資本主義認識を中心に
    遠山 日出也
    2020 年 41 巻 p. 23-40
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/19
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    家族賃金・年功制、能力主義、競争原理、均等法、個人単位化といった概念・制度・政策には、いずれも複数の意味や方向性があり、それらの背後には複数の社会的な力(新自由主義の力、フェミニズムの力など)が存在している。しかし、日本の左派やフェミニストは、しばしば、こうした複数の意味や方向性、背後にある力を十分区別できなかった。そのために、新自由主義に対する評価が甘くなったり、フェミニズム運動の意義を十分評価できなくなったりした。以上のことと表裏一体の問題として、左派やフェミニストが、しばしば資本主義と家父長制とを統一的に把握していないという問題がある。また、「前近代」「近代」といった歴史的段階だけに注目して、それぞれの社会内部の矛盾やマイノリティの視点を軽視することも、以上のような問題と結びついている。「近代家族」概念にも複数の意味が存在しており、その真の乗り越えは、新自由主義によってではなく、公共領域と家内領域の分離をより高い段階で統一する方向性を有するさまざまな闘いによってのみ可能になる。新自由主義に対抗するためには、今後、家族賃金や能力主義といった概念の複数性についてさらに丁寧に論じていくことが必要である。
  • 日本語圏では、なんのために、どんなふうに用いられたか
    牧野 良成
    2020 年 41 巻 p. 41-62
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/19
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    フェミニズムの歴史が語られるとき、〈波wave〉という概念に頼った区分の方法がしばしば用いられる。典型的には、1960年代なかばから70年代初頭にかけて運動が高まりをみせた時期が、19世紀なかばから20世紀初頭にかけての〈第一波〉に次ぐ〈第二波second wave〉と捉えられる。遅くとも1960年代アメリカにさかのぼるこうした用法については、〈第三波〉なる自称が現われた90年代以降の英語圏では、批判的な検討が始まっている。同時代の運動の昂揚とともに運動史への関心もまた高まる現在、日本語圏においても〈波〉概念が帯びる文脈性を踏まえたうえで歴史記述の方向性を探る必要は増していると思われる。そこで本稿では、1970年代以降のフェミニズムの歴史が語られるとき、日本語圏では〈波〉という区分がいかにして用いられてきたかを検証する。注目すべきは、70年代にはアメリカなど諸外国の動向を紹介する文脈で用いられていた〈波〉概念が、80年代なかばには日本語圏の動向をも指し示すものへと転じたことである。ここからは、女性学‐フェミニズムの観点を打ち立てるべく奮闘した者たちが、地域や争点を異にする同時代の運動や先行する運動をにらみながら選び取った、自己呈示と戦略とでも言うべきものが読み取れる。
  • ベレック クロエ
    2020 年 41 巻 p. 63-86
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/19
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    薙刀(なぎなた)とは、本来長い柄の先に反り返った長い刃をつけた武器である。20世紀半ばまでは学校教育制度外における武術流派の道場で、男性のみならず女性にも薙刀の稽古が続行されたが、1910年に師範学校の女子生徒を対象に課外活動として認められた薙刀は、やがて高等女学校・女子実業学校へと広がった。それは、第二次世界大戦の終結後、GHQの指令により学校での武道教育が廃止されるまで続いた。
     20世紀前半に女子教育の領域で普及した薙刀は、ジェンダーに関する新たな問題を提起している。薙刀は、相手を攻撃し、戦うための武器である。「武器」・「攻撃」・「戦う」という言葉で表現されることは、社会的には「男性らしい」と見なされているものである。にもかかわらず、薙刀は女子教育においていかなる理由で採用されたのだろうか。そして、学校教育では、社会や文化における男や女に対する期待と規範が教えられ、体育の教育も「女らしい」「男らしい」という期待に沿いながら行われている。そこで本論文では、20世紀前半の日本の薙刀教育において、「女性らしさ」に対する社会の期待の変化がどのように示されていたかを明らかにする。
     当時の女子生徒向けの薙刀教本では、女性らしい健康な身体に備わった女性の優美さと、薙刀との関連性がよく指摘され、薙刀教育は女子の「女性らしさ」を育成しなければならないとされた。そして、薙刀教本では、薙刀と関係がある女性の例をよく取り上げることで、女子教育と薙刀の歴史的関係を強調し、女子向け教育として薙刀を正当化するとともに、薙刀を女性らしいものにした。
     20世紀前半において学校教育に導入された武道の中では、薙刀だけが女子のみを対象とするものであった。薙刀を女子教育に採用することによって、女子の武道は男子の武道と差異化された。薙刀は女子武道を代表するものとされ、それによって男子との相違が強調されたのである。このように、薙刀を女子のみの武道として設定することによって、薙刀は女性化されたのであった。
  • 荻野 美穂
    2020 年 41 巻 p. 87-90
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/19
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  • 『女性学年報』39号掲載の矢野論文への反論
    松本 澄子
    2020 年 41 巻 p. 91-109
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/19
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  • 2020 年 41 巻 p. 110
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/19
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  • 2020 年 41 巻 p. 111
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/19
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  • 『女性学年報』第41号編集委員会
    2020 年 41 巻 p. 112-115
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/19
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  • 2020 年 41 巻 p. 116-117
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/19
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  • 2019年12月~2020年11月
    2020 年 41 巻 p. 118-119
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/19
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  • 2020 年 41 巻 p. 120
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/19
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  • 『女性学年報』第41号編集委員会
    2020 年 41 巻 p. 121
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/19
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  • 2020 年 41 巻 p. 122
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/19
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