日本的要素があると思われる詩に、アプローチするための用語は色々あるが明確ではない。用いられる表現の中には、ジャポネシスモ(日本語からの借用語)、または日本の詩の形式の使用に基づいた、いわゆる「日本の影響」や「日本的な調子」などが主なものである。そのためスペイン語で書かれた詩に適用される「歴史的ジャポニスム」と「初期のジャポニスム」の間の分類を行いつつ、ジャポニスムをめぐるいくつかの側面を、より深く研究する必要性が強調されている。本論文ではスペイン語地域と日本を結びつける特徴を持つ詩を意味する、スペイン語で書かれた「橋掛け詩」という用語を提案する。この種の詩は、日本の特徴を模倣しようとするものではなく、文化的、美的、歴史的、言語的な架け橋を築くことを目指している。本研究では、スペイン語圏の現代詩人4人(エクアドル:ホルヘ・エンリケ・アドウム、ベネズエラ:グレゴリー・サンブラノ、ペルー:ディエゴ・アロンソ・サンチェス、スペイン:ラケル・バスケス、)のコーパスを用いて、1945年8月6日の広島での原爆投下に関係する詩を分析することにより、ある特定の詩を「橋掛け詩」とみなす5つの特徴を示す。具体的には以下の特徴である: 1. 美的関心 2. 歴史的出来事とその社会的背景の特定 3. 記録するという目的 4. ドキュメンタリー的関心(地理的・歴史的・民族学的側面など) 5. 時間性と空間性という2つの軸の拡張。
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