Mycvplasma pulrnonisのマウス体内における分布を, contact infectionによって実験的に感染させたマウスと自然感染マウスを用いて調べた。その成績を要約すると以下のとおりである。
実験感染において, 経時的観察による
M. pulmonisの検出順序は, 鼻腔, 気管, 口腔がほぼ同じでもっとも早く, infectorとcontact後1日で一部の個体が陽性になり, ついで中耳 (3日) , 脳 (4日) , 膣 (6日) , 子宮および肺 (7日) の順であった。各器官における本菌検出率はcontact後7日で大略一定し, 鼻腔, 気管, 口腔が100%, 中耳, 脳が95%, 肺が25%, 膣, 子宮が20%であった。contact後6週のマウスもこの成績と大体一致した。
培地上に発育したコロニー数によって各器官における菌数の多寡を推定すると, 鼻腔, 気管, 中耳, 口腔, 脳, 肺の順で多い傾向がみられた。肺では一部の個体に病変が認められ, その部位からは多くの菌数が分離されたが, 正常肺では一般に菌数は少なかった。子宮, 膣における菌数は, 感染実験例で多く, 自然感染例では少なかった。
野外の生産コロニーにおける自然感染マウスでは, 上記実験感染例のcontact 6週後マウスと類似の成績を示した。
肝, 脾, 腎, 心からの菌検出はすべて陰性であった。
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