実験動物
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25 巻, 4 号
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  • 西川 勲, 川西 悟生, 長 文昭, 本庄 重男, 畠山 富而, 若生 宏
    1976 年25 巻4 号 p. 253-264
    発行日: 1976年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    泌乳期が44-119日間の8匹のカニクイザルから得た乳試料の全固形分, 粗蛋白質, 脂質, 乳糖, 灰分等の一般化学組成を調べた。
    また, 窒素分布および脂肪酸, アミノ酸, トリグリセリド, 灰分の組成を測定した。
    これらの分析結果をヒト, サル, ウシについて報告されている結果と比較し, カニクイザル乳は人乳によく類似していることを認めた。
  • 斎藤 学, 中山 一栄, 中川 雅郎
    1976 年25 巻4 号 p. 265-272
    発行日: 1976年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    Mycvplasma pulrnonisのマウス体内における分布を, contact infectionによって実験的に感染させたマウスと自然感染マウスを用いて調べた。その成績を要約すると以下のとおりである。
    実験感染において, 経時的観察によるM. pulmonisの検出順序は, 鼻腔, 気管, 口腔がほぼ同じでもっとも早く, infectorとcontact後1日で一部の個体が陽性になり, ついで中耳 (3日) , 脳 (4日) , 膣 (6日) , 子宮および肺 (7日) の順であった。各器官における本菌検出率はcontact後7日で大略一定し, 鼻腔, 気管, 口腔が100%, 中耳, 脳が95%, 肺が25%, 膣, 子宮が20%であった。contact後6週のマウスもこの成績と大体一致した。
    培地上に発育したコロニー数によって各器官における菌数の多寡を推定すると, 鼻腔, 気管, 中耳, 口腔, 脳, 肺の順で多い傾向がみられた。肺では一部の個体に病変が認められ, その部位からは多くの菌数が分離されたが, 正常肺では一般に菌数は少なかった。子宮, 膣における菌数は, 感染実験例で多く, 自然感染例では少なかった。
    野外の生産コロニーにおける自然感染マウスでは, 上記実験感染例のcontact 6週後マウスと類似の成績を示した。
    肝, 脾, 腎, 心からの菌検出はすべて陰性であった。
  • 尾川 昭三, 友田 仁
    1976 年25 巻4 号 p. 273-282
    発行日: 1976年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    日本白色種, ニュージーランド白色種, およびダッチベルト種家兎の着床前期胚 (16細胞期および桑実期) について凍結 (-196℃) 実験を行なった。特に室温から0℃までの温度下降速度, 胚をとりまくミューシン層の存在, 氷晶Seeding処理および融解 (凍結からの) 処理の胚の生存におよぼす影響をしらべて凍結保存した結果良好な胚の生存率がえられた。ダッチベルト種胚では7~9℃/minで0℃まで冷却, 12.5%DMSO液にて-4℃氷晶Seedingを行ない-196℃に凍結し, 融解の際に4種の異なる濃度のPBSを段階的に加えて稀釈した結果in vitroで高率で発達した (16細胞期胚で5100, 桑実期胚で71%) 。最も高いin vitro発達例は, 桑実期胚を0℃まで1℃/2.5minで冷却, -4℃でSeeding後-196℃に凍結し, 融解の際には6, 3および1%のDMSO液, さらに培養液を段階的に加えて稀釈した場合にえられた (日本白色種胚で81%, ニュージーランド白色種胚で75%, ダッチベルト種胚では82%) 。ミューシン層のある胚とないものとの間には生存率に大差は認あられなかった。Seedingを行なわにず凍結したすべての胚は融解後発達しなかった。凍結融解胚各々6個を27匹の受容雌に移植した結果9匹が妊娠し, 妊娠第12日目の検査ではこれらに37の正常胎仔の存在が認あられた。
  • 村岡 義博, 伊藤 真喜子, 林 裕造
    1976 年25 巻4 号 p. 283-289
    発行日: 1976年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    SD-JCL系ラットを1ケージあたり1~5匹の密度で飼育し, 成長と寿命について観察した。
    1.飼育密度差の体重増加に対する影響は雌ではみとめられなかった。雄では2rats/cageで成長がもっともよく, 1ratおよび5rats/cageとの間に僅少ながら差があった。
    2.全生涯にわたっての摂食量は1匹あたり, 雄では約15kg, 雌では約11kgであり, 摂水量はそれぞれそれらの約2倍であった。
    3.平均寿命は雄で約23カ月, 雌で約24カ月であった。
    4.肝, 腎, 心および大腿骨の重量は飼育密度との関係で, 各群間に差をみとめなかった。雄ラットの副腎重量は5rats/cageのものが他群より小であった。
  • 水野 充, 近藤 恭司
    1976 年25 巻4 号 p. 291-295
    発行日: 1976年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    名古屋大学農学部で維持されているNZB系のEs-1遺伝子座位にヘテロ個体が認められ, また現在日本で維持されているNZB系のうち入手経路既知のものについて追跡調査したところ, Es-1遺伝子座位についてそれぞれ異なる遺伝子に固定しているものが存在することも確認された。
    名大農のNZB系のEs-1遺伝子座位以外の11の遺伝子座位について調べたところ, 全ての遺伝子座位が固定しており, またNZB系の標識とされている遺伝子型を保っていた。更にNZB系の特性である抗核抗体の出現などの性質が消失していないことから, この原因は単なる交雑ミスではなく突然変異によるものと考えられた。
    NZB系の事件を例として, 近交系マウスにおける交雑ミスあるいは突然変異の出現のチェックにはなるべく多くの生化学的標識遺伝子の利用が有効であることが示唆された。
  • 平野 武明, 佐藤 恵子, 高垣 善男
    1976 年25 巻4 号 p. 297-302
    発行日: 1976年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    新しい臨床化学分析システムであるRaBA-Systemが実験動物の臨床化学検査にどの程度応用できるかを検討する目的で, ラット, ウサギおよびビーグル犬の血液試料各20例について, ヘモグロビン, 総蛋白, アルブミン, グルコース, BUN, 総コレステロール, GOT, GPT, アルカリ性フォスファターゼならびにLDHをRaBA法と用手法で同時に測定した。その結果, RaBA法の再現性は, ほとんどの項目において用手法のそれに近かった。RaBA法によるヘモグロビン, 総蛋白およびBUNは用手法の値にほぼ一致したが, GOTとGPTはRaBA法による値の方が明らかに高く, 一方アルカリ性フォスファターゼと総コレステロールは低かった。しかし, いずれの項目においても両法の測定値の間に有意な相関関係が認められた。ところが, LDHはウサギとビーグル犬では活性が低かったためRaBA法では測定できず, またアルブミンはRaBA法と用手法いずれでも正確な値が得られなかった。以上の結果から, RaBA-Systemはラット, ウサギおよびビーグル犬のヘモグロビン, 総蛋白, グルコース, BUN, 総コレステロール, GOT, GPTおよびアルカリ性フォスファターゼの測定に応用できるが, その際各種動物におけるRaBA法による正常値の確立が必要であろう。
  • 平野 武明, 高垣 善男
    1976 年25 巻4 号 p. 303-306
    発行日: 1976年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    RaBA-Systemによるラットの血液成分正常値を確立するたあに, 8-22週令のWistar-lmamichiラットについて次の8項目の臨床血液化学検査を実施した: ヘモグロビン, 総蛋白, グルコース, BUN, 総コレステpル, アルカリ性フォスファターゼ, GOTおよびGPT。その結果, グルコースを除くすべての測定項目において, 週令に関連した測定値の差が認められた。さらに, ヘモグロビン, 総コレステロール, アルカリ性フォスファターゼおよびGOTにおいて有意な性差が認められた。
  • 山田 淳三, 中島 一男
    1976 年25 巻4 号 p. 307-308
    発行日: 1976年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    Two tester strains of the rats for testing coat color genes wese established. The names, the origins and the genotypes of the rats were as follows: (1) abh (F4) Origin : selected from (BN/fMai × Kyo : Wistar) F2. Genotype : C/C, a/a, b/b, h/h. (2) bad (F2) Origin: selected from (abh x Tester Moriyama) F2. Genotype: C/C, a/a, b/b, h/h, D/d*and C/C, a/a, b/b, h/h, d/d*.
  • 藤田 省吾, 山内 忠平, 田中 郁郎, 小原 徹, 森畑 幸男
    1976 年25 巻4 号 p. 309-316
    発行日: 1976年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    鹿児島大学医学部附属動物実験施設に設置された全熱交換器いわゆるエコノベントの効率を各種の外気条件下で測定し, 以下のような結果を得た。
    風速は, 全熱交換器を設置することにより約36%減少したが, 風量は充分に確保され, 換気回数は各系統とも約12回/時間以上に維持された。全熱交換器の効率は, 各系統で多少異なるが, 平均効率は各種の外気条件において, 温度で81%, 絶対湿度で75%, エンタルピーで76%を示した。冷房時の9月と暖房時の1月の外気の時刻毎の変化と, 飼育室の制御目標値からエンタルピーアワーを求めると, 当施設の両月における消費エネルギー量の計算値とカロリーメーターによる実測値あるいは蒸気メーターによる実測値とは, ほぼ一致した。したがって, 全熱交換器を使用することにより, 冷房時期で約58.7%, 暖房時期で約60%のエネルギー量が節約できるものと推定した。
  • 疾患モデル実験動物専門部会
    1976 年25 巻4 号 p. 317-326
    発行日: 1976年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 1976 年25 巻4 号 p. 327-359
    発行日: 1976年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
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