本研究の目的は,国内文献からAYA(adolescent and young adult)世代がんサバイバーの思いを明らかにし,今後の看護支援の示唆を得ることである。医学中央雑誌を用いて,“若年”,“若年成人”,“思春期”,“成人前期”と“がん”のキーワードで検索を行い,研究目的に沿った質的研究23件を対象文献とした。がんの部位などの記述統計量を算出し,AYA世代がんサバイバーの思いについて質的帰納的に分析した。結果,がんの部位は血液・リンパが34.9%と最も多かった。AYA世代がんサバイバーの思いは,【がん診断や治療に伴う受け入れがたい苦しみ】【がんと共に生活を営み続ける苦悩】【他者との関係性の中で抱く葛藤】【身近な人との関わりから得られる心地よさ】【必要な情報を得た上での自己決定への欲求】【生きていけることへの期待】【がん体験から得られる自己成長の自覚】の7カテゴリが生成された。ライフイベントにおける懸念を抱えながらもがんと共生するためには,AYA世代がんサバイバーの葛藤や強みを考慮した看護支援が必要である。
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