医療バランスト・スコアカード研究
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18 巻, 1-2 号
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総説
  • 髙橋 淑郎
    2022 年 18 巻 1-2 号 p. 1-42
    発行日: 2022/08/31
    公開日: 2022/09/09
    ジャーナル フリー

    BSCを経営戦略論として考えることが一般的になってきた。また,世界中で,環境,社会性,経済性を組み込んだ持続可能性を考えるようになった。さらに国連のSDGs運動のように官民あげて新しい方向に動いている。

    そのような状況下で,経営戦略論としてのBSCについて,経済性一辺倒ではなく,社会性を考えることが社会から求められている。BSCは社会から組織が求められている「社会性」を備えられるのか,さらに倫理を組み込むことでBSCのコンセプトや構造が,この社会の変化に適用できるのかを考察した。

    その結果,戦略経営論の領域から,BSCは「戦略経営実践の枠組み」であることが明らかになった。さらに「社会性」に関しては,キャプランとノートンのオリジナルなBSCは,社会性や環境に関して,少なくとも積極的でないと判断された。加えて,キャプランら(Kaplan & McMillan, 2020)は,ハーバード大学のワーキング・ペーパーで,BSCの基本フレームワークにトリプルボトムラインを取り入れると同時に,オリジナルの4つの視点の名称を修正すると発表した。しかし,トリプルボトムラインをBSCに入れ込むことは,世界ではBSCへ社会性や環境を加味する研究として1996年から研究されてきた。特に,2000年から2008年頃までは,ドイツや北欧でサステナビリティBSCとして盛んに研究されてきたにもかかわらず,キャプランらは,これらの研究成果を全く取り入れていない。

    本稿では,「社会成果を出さずして,経済成果を追求すべきでない」という立場をとる。したがって,積極的に社会性をBSCに組み込むには,倫理に根差したインテグリティをBSCに組み込み,BSCのコンセプトと構造に修正を加える必要性があることを議論した結果,理論的に修正可能と判明した。

  • 渡邊 直人
    2022 年 18 巻 1-2 号 p. 43-48
    発行日: 2022/08/31
    公開日: 2022/09/09
    ジャーナル フリー

    本稿は,組織成員の複数目標の同時追求について文献調査をとおして検討することを目的とする。検討の結果,目標コンフリクトを緩和・解消し,複数の戦略目標の同時追求を促進するためには,目標自己調和を高めることが重要であることがわかった。また,目標自己調和を高めるためには,BSCによる目標設定方法や評価方法を改善することが有効であると指摘した。

研究資料
原著
編集後記
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