理論応用力学講演会 講演論文集
第61回理論応用力学講演会
選択された号の論文の229件中201~229を表示しています
  • 佐藤 博紀, 窪田 健一, 船木 一幸
    セッションID: GS02-12
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    MPDスラスタは,宇宙機用の電気推進ロケットである.著者らの最終目標は,MPDスラスタの推進性能を精度良く予測する数値解析ツールを開発し,MPDスラスタの設計を支援することである.そのためには,スラスタ内部の電磁流体を数値模擬する必要がある.本研究では,水素を推進剤とするMPDスラスタ内部における,電磁流体のモデリングと数値解析を実施し,実験結果と比較した.モデルには,イオンスリップなどの実在気体効果を含めた.電磁流体方程式は有限体積的に離散化し,時間発展法で収束解を得た.計算条件は,実験条件と同じ,推進剤流量0.65 g/s,放電電流13 kAとした.数値解析による電子温度と放電電流経路は,実験結果をよく捉えていた.また,重粒子温度が電子温度を超える領域を確認した.この現象はイオンスリップ効果が原因である.この傾向は,実験結果と定性的に一致している.数値解析による推進性能は,推力22.1 N,投入電力951 kWであり,実験結果の推力27.0 N,投入電力1,521 kWよりも低かった.これは,異常抵抗やシースといったモデルを含めてないことが原因と考えられ,これらのモデルの導入は今後の課題である.
  • 小林 智紀, 高木 通俊, 高倉 葉子
    セッションID: GS02-13
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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     本研究は高揚力装置の一種であるGurney Flapの空力特性を,NACA4412形状翼を用いて実験的に求めたものである.Gurney Flapは高速走行する自動車に装着されることの多い高揚力装置であり,1970年代にDan Gurney氏によって考案された装置である. 実験条件はRe=6.5×105であり,Gurney Flapの大きさは翼弦長に対して0%,1%,2%,3%,4%,5%,6%の高さの装置を装着する.実験よりC<>L</>曲線の変化の傾向を維持した状態での揚力係数は高さが4%のものが最も高く,翼のみの状態に比べ2倍の効果を発揮した.また変化の傾向が異なるが揚力係数がより高くなるFlapもあった.抗力係数は高揚力装置の高さを高くするほど同じ迎角でも上昇する傾向を示した.揚抗比はFlap高さが低い状態ほど高く,4%の高さの装置を装着している状態では装着していない状態と比較して74%まで減少した.これらの結果よりGurney Flapは翼重量の増加を最小限として揚力係数を得たい場合や動力の余力があり抗力係数を考慮する必要性が低い場合に最大限の能力を発揮する.
  • 檀 裕也
    セッションID: GS02-14
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    一定の条件下で、静止した水面に浮かぶボールの上から水をかけると、ボールは安定点にとどまろうとする現象を観察することができる。空気の流れに閉じ込められるビーチボールの現象と同様に、流体力学におけるベルヌーイの原理によって説明できるはずである。本稿では流体の粘性とともにボール表面の抵抗を含めた数理モデルを解析し、このような現象が起こる物理的条件を調べ、シミュレーションによる数値解法の可能性を念頭に考察した結果について述べる。
  • 船越 満明, 深澤 義成
    セッションID: GS02-15
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    鉛直上向きに線形的に減少する温度場の中に置かれた、傾いていない、あるいは傾いた直方体容器(壁面では滑りなし、完全熱伝導)における熱対流の発生する臨界レイリー数と、そのときの流れパターンについて、スペクトル法を用いて数値的に調べた結果を示す。
  • 田中 健一郎, 村重 淳
    セッションID: GS03-01
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    本講演では,周期係数を持つ微分作用素の固有値問題を扱う.この問題は,非線形波動方程式の周期解の線形安定性解析などに現れる.この問題に対する一つの数値計算法としてHill の方法と呼ばれる方法がある.Hillの方法では,周期解のFourier級数展開に基づく近似を用いて元の問題を有限次元の問題に帰着させ,近似固有値を得るという方法が用いられる.このため実装が比較的容易であり,また,周期がある程度短い場合には高精度な結果が得られることが実験的に知られている.一方,この方法の理論誤差解析はこれまで限定された条件下でしかなされていない.本講演では,関数解析的枠組みを用い,より一般的な条件下で理論誤差解析を与える.また,典型的な問題に対してこの理論が適用できることを示し,数値実験結果との比較についても報告する.
  • 高清水 聖, 江澤 良孝
    セッションID: GS03-02
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    本稿において確率的メタモデルを用いた高コスト関数の大域的最適化における新しいサンプル基準を提案する。この基準は統計的決定理論から導かれ、ユーザーの最適解とその最適値に関する先験情報をベイズ統計における事前確率として取り込み、そこから求まる事後確率についての期待損失を最小化する点として定義する。各種ベンチマーク関数を用いた比較実験により、代表的な基準である Expected Improvement に対する有効性を示す。
  • 村宮 諒哉, 吉田 秀典
    セッションID: GS03-03
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    高レベル放射性廃棄物の地層処分においては,地下水シナリオを中心に処分施設の安全性評価を行うことが重要であると考えられており,透水・物質移行特性を把握しておく必要がある.しかしながら,多孔体などの複雑な流れ場に対しては圧力分布も複雑になるため,従来の数値解法では圧力の計算が発散しないような特別な工夫が必須となる.また,実際の岩盤亀裂の表面形状は複雑であることから,その透水特性を開口幅の三乗則などの単純なモデルで表現することにも限界がある.これに対し,格子ボルツマン法ではポアソン方程式を解く必要がないため,複雑な形状の流れ場にも有効であり,経験式を援用した従来手法や測定では予測が困難な微視的スケールでの流動特性の評価が可能である.本研究では複雑な形状の亀裂内における流動特性について評価することを目的として,種々の流れ場において格子ボルツマン法を用いた流動解析を行った.
  • 西村 拓馬, 吉田 秀典, 横田 優
    セッションID: GS03-04
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    近年,コンクリート構造物の鉄筋腐食の非破壊検査として腐食速度の評価が可能な分極抵抗法が注目されている.分極抵抗法では対極をコンクリート表面に設置し,対極から印加される交流電流の電位の変化から鉄筋の分極抵抗を測定する.この測定された鉄筋の分極抵抗と計測範囲から腐食速度の推定が可能である.測定される鉄筋の分極抵抗は,かぶりの深さ,鉄筋の直径など多くの要因によって影響される.また,計測範囲も推定される値であり,コンクリート内部の電流の分散状況が不明確であることから,正確な計測範囲を推定できない.したがって,正確な腐食速度が得られない.そこで本研究では,測定される分極抵抗に影響を及ぼす様々な要因について検討し,また,コンクリート内部の電流の分散状況を把握するために有限要素法を用いて電流分布解析を行った.
  • 高橋 新九郎, 中山 司
    セッションID: GS03-05
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    高速で走行する鉄道車両がトンネルへ突入する際に生じるトンネル微気圧波を低減するための鉄道先頭車両の形状最適化を行うための数値計算法を検討した.車両を移動させつつ,車両表面の圧力の時間変化率を計算し,その最大値を最小にする方針で計算を行う.時々刻々車両の位置を変えながら流れ計算を進めるためにfictitious domain法を用いる.fictitious domain法を用いると車両表面での設計変数の勾配が正確に求められないことから,最適化手法としては勾配情報を必要としないdownhill simplex法を採用する. 計算方法の概要と数値計算例を報告する.
  • 遠藤 廣太, 中山 司
    セッションID: GS03-06
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    2次元通路を歩行する群集の移動パターンに関する数値シミュレーションを報告する.本研究では群集の移動を流体の流れに見立て,流れの支配方程式を粒子法の一つであるSmoothed Particle Hydrodynamics(SPH)法で解く.一つの粒子を一人の人間に見立てることで,粒子の移動をラグランジュ的に追跡しながら計算する.群衆を目的地に誘導する計算テクニックとしてポテンシャルフィールドという考え方を採用し,ポテンシャルフィールドの勾配に比例する仮想的な力を外力として個々の粒子に作用させる.また,粒子に対して視野に相当する情報を与えるために,SPH法におけるカーネル関数の形状を変える.カーネル関数の形状や流体の動粘性係数に相当する係数の大きさなどの違いによる群集の行動パターンを考察するとともに,複雑な形状の通路にポテンシャルフィールドを張る方法を考案した.
  • 風間 正喜, 小俣 正朗, 小原 功任 
    セッションID: GS03-07
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    SPH法などの粒子法は計算格子を必要としない計算手法であり, 表面波など移動境界を伴う問題に多く適用されている. 特に水しぶきを有限要素法で計算する場合, 計算格子の再生成が必要となるなど計算上の困難を伴うが, 粒子法では比較的容易に計算することが可能となるため, 液滴の分裂や合体のような現象の計算に多く適用されてきた. 液滴の運動を計算する際に重要な表面張力を表現するために様々な方法が 開発されているが, 表面エネルギーを基礎とした計算方法はそれほど多くないように思われる. 表面エネルギーを基礎とした方法では, 接触角を表面エネルギーの差として簡単に表現することができる. 本研究では表面エネルギーを基礎とした粒子法による 表面張力計算方法を開発したのでその計算結果を報告する.
  • 村上 力
    セッションID: GS04-01
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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     東南アジアで見かける「茄子ゴマ」と称するツバのない茄子形の独楽がある.本論文では茄子ゴマの形状を円筒(長さ:L)で近似し,円筒の両端部は同直径(D)の半球とする.つまりL/Dによる姿勢安定性への影響を調べることが本論文の主目的である.  姿勢運動は著者が開発した極めて簡略な複素係数線形2次方程式を用い,傾きによる重力トルクと接地部の滑り速度に比例する弱い摩擦力:粘性摩擦による水平トルクを外部トルクとし,並進運動無視の重心固定とした.摩擦による鉛直トルク成分は低摩擦と微少傾きとして無視でき,これによって章動角速度は不変となり,二つの固有値が簡単に得られ,速いモードを章動モード(n-mode),遅いモードを歳差モード(p-mode)とする.両固有値は質量,摩擦係数,重心の高さ,接地部曲率半径=(D/2),慣性能率比(σ=C/A,Cは対称軸の,Aはラジアル軸の主慣性能率)で与えられている.その結果,L/Dがほぼ5以上になるとn-modeが不安定となり,体験的に納得できる.  本論文では角運動量とスピン軸の挙動を表示し,両者の相互関係に直感的な説明を与える.また,普通の独楽のツバ部分の役割にも力学的説明を与える.
  • 中澤 嵩, 水藤 寛
    セッションID: GS04-02
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    曲率と捩率をもった血管の部位では、心臓の拍動によって速度が駆動された血流は時間に依存する旋回流になることが、数値シミュレーションを援用した先行研究によって調べられた。このような旋回流は、血管の中心軸に対して垂直な平面において、渦管の断面として確認される。そして、時間変化に応じて、このような渦管の断面の形状や数の変化が起きている。このことから、流れ場の遷移が発生していることが考えられる。そこで、本研究では、血管を螺旋管とみたてて、螺旋管の中心軸に対して垂直な平面において、拍動流によって駆動される流れ場の線形安定性解析を行う。線形安定性解析を行う際、周方向に波数分解した線形擾乱方程式を計算する。それによって、ある時間において線形増幅率が最も大きい波数擾乱を特定することが可能となる。本研究結果によって、時間変化に応じて形状や数が変化する渦のメカニズム解明に役立つと期待される。
  • 大橋 俊介, 水島 二郎, 武本 幸生
    セッションID: GS04-03
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    円柱などの柱状物体を過ぎる流れは,レイノルズ数がある臨界値を超えると不安定となり,後流にカルマン渦列が発生する.カルマン渦列発生の機構はTakemoto and Mizushima により,パッシブモード不安定性とアクティブモード不安定性の概念を導入して説明された.しかし,これらの不安定性とこれまでに用いられてきた対流不安定性と絶対不安定性との関連が明らかとはなっていない. この講演では,パッシブ不安定性とアクティブ不安定性と平行流近似における対流不安定性との関係および全体不安定性との関係を詳しく説明する.
  • 佐々木 英一, 竹広 真一, 山田 道夫
    セッションID: GS04-04
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    我々は非回転,回転球面上で球面調和関数で表される非粘性,粘性帯状流の安定性と分岐構造を数値的に調べた.非粘性帯状流の安定性を再吟味したところ,Baines(1976)で得られている臨界回転角速度と約10%異なる結果が得られた.この差異は,回転角速度が臨界に近づくにつれて発現する極付近の臨界層が,スペクトル法では解像困難になることによると考えられる.さらに,ベータ平面上での半円定理を回転球面上に拡張した.粘性が存在する場合についても,3本ジェットの帯状流の分岐構造を調べたところ,高レイノルズ数になるにつれ対称性が増加する分岐解(不安定解)が存在する.この性質は2次元トーラスの場合でも確認することができる(Kim and Okamoto 2010).
  • 松元 宏太, 佐野 英樹
    セッションID: GS05-01
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    拡散項を有する並流型二層流熱交換方程式を取り上げ、境界制御のもとでの出力トラッキング制御問題を考察する。目的は、二つの管の出口における流体の温度が、任意に指定した値に追従するように制御則を構成することである。はじめに、出口での流体の温度を指定したときの、熱交換方程式の平衡状態を求める。そして、熱交換方程式とその平衡状態との誤差を表す誤差システムを導入する。ここで、バックステッピング法を用いて、誤差システムが安定化されるように制御則を定める。特に、積分変換による誤差システムのターゲットシステムに、安定性を決めるパラメータを含ませておくことにより、任意の減衰率で安定化が達成できる。すなわち、出口での流体の温度を、速やかに指定した値に追従させることが可能となる。最後に、数値実験結果を示し、本手法の有効性を検証する。
  • 島田 邦雄, 熊谷 亜未
    セッションID: GS05-02
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    著者が開発した磁場に反応する機能性流体の一つである磁気混合流体(MCF)をゴムと混ぜることにより金属粉を含むMCFゴムを製作し,それを触覚センサーとしてロボットに用いる研究を行った.歩行,腕立て伏せ,突きなどのロボットの種々の動きにおける,物体への過重と,MCFゴム中を流れる電流波形の変化を測定した.その結果,ロボットの動きの種類に対してセンサーの構造の最適性が存在することが判明した.
  • 胡 杰, 坂主 樹哉, 山田 功, 安藤 嘉則, 村上 岩範, 松浦 峻
    セッションID: GS05-03
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    シンプル多重周期繰返し補償器は,多重周期繰返し制御系の入出力特性と外乱抑制特性を簡単に指定するために,Yamada and Takenagaが提案した補償器である.さらに,Yamada and Takenagaは安定化シンプル多重周期繰返し補償器のすべて,いわゆる安定化シンプル多重周期繰返し補償器のパラメトリゼーションを明らかにしている.しかしながら,この方法を用いると,制御系の目標追従特性を指定する役割を担うローパスフィルタを指定するのに2つのパラメータを決定しなければならず,目標追従特性を指定することは,それほど簡単ではない. 本稿では,多入力多出力系に対して目標追従特性をあらかじめ指定することができる安定化シンプル多重周期繰返し補償器のパラメトリゼーションを求める問題を検討する.
  • 坂主 樹哉, 胡 杰, 山田 功, 村上 岩範, 安藤 嘉則, 松浦 峻
    セッションID: GS05-04
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    シンプル繰返し補償器は,修正繰返し制御系の入出力特性と外乱抑制特性を簡単に指定するために,Yamada et al. が提案した補償器である.Yamada et al.は安定化シンプル繰返し補償器のすべて,いわゆる安定化シンプル繰返し補償器のパラメトリゼーションを明らかにしている.さらに近年,Yamada et al. は制御対象に不確かさが存在したとしても制御系の安定性を保証する,ロバスト安定化シンプル繰返し補償器のパラメトリゼーションを明らかにしている.しかしながら,この方法を用いると,制御系の目標追従特性を指定する役割を担うローパスフィルタを指定するのに3つのパラメータを決定しなければならず,目標追従特性を指定することは,それほど簡単ではない.本稿では,多入力多出力系に対して目標追従特性をあらかじめ指定することができるロバスト安定化シンプル繰返し補償器のパラメトリゼーションを求める問題を検討する.
  • 干川 達也, 山田 功, 安藤 嘉則, 村上 岩範, 立見 裕子
    セッションID: GS05-05
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    強安定化とは,安定な補償器を用いて制御対象を安定化するという制御法である.安定な補償器を用いて制御対象を安定化することにより,不安定な補償器を用いた場合に生じる外乱への高感度化や目標追従性能の劣化といった問題を解決することができる.この観点から,実際の制御では可能な限り安定な補償器を用いて制御対象を安定化することが要求される. これまでに,制御対象が強安定化可能であるための必要十分条件がYoulaらによって明らかにされた.また,Yamadaらは強安定化可能な制御対象のクラスを求めることにより,強安定化可能な制御対象を定式化した. しかしながら,実際のシステムでは,少なからず制御に伴う時間遅れ,いわゆるむだ時間が生じる.そのため,強安定化可能なむだ時間系を定式化することが重要となる. 本稿では,強安定化可能なむだ時間系の定式化を行う前段階として,強安定化可能なフィードバック結合型むだ時間系のクラスを明らかにする.
  • 山田 功, 坂主 樹哉, 安藤 嘉則, 村上 岩範, 名久井 勇輝, 熱田 祐介
    セッションID: GS05-06
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    近年、状態に外乱が加わる制御対象に対する線形関数外乱オブザーバのパラメトリゼーションが明らかにされた. 外乱オブザーバは制御対象に加わる外乱の推定に用いられる.  線形関数外乱オブザーバのパラメトリゼーションを用いることで、未知な状態外乱を効果的に抑制する制御系を設計できる可能性がある. しかしながら、状態に外乱が加わる制御対象に対する線形関数外乱オブザーバのパラメトリゼーションを用いた制御系の設計法は提案されていない.  本稿では、状態外乱が加わる制御対象に対する線形関数外乱オブザーバのパラメトリゼーションを用いた制御対象に加わる未知な状態外乱を効果的に抑制する制御系の一設計法を提案する.
  • 小松 信義, 木綿 隆弘, 木村 繁男
    セッションID: GS06-01
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    重力エネルギーが支配的なN体系(例:球状星団)は,初期の激しい緩和による準定常状態から,collapseを経て,コア・ハロー状態へと系が進化していく。このため,速度分布も,系の進化に伴い非ガウス的な分布からガウス分布(マクスウェル-ボルツマン分布)に徐々に緩和すると予想される。本研究では,このような自己重力N体系の速度緩和を明らかにするため,N体シミュレーション(N=125~250)を実施した。その結果,collapseによってコアが急激に形成されるする場合には,速度分布は非ガウス的な分布からガウス分布へ,単調には緩和しないことが示された。
  • 三木 俊介, 西藤 潤, 小林 俊一
    セッションID: GS06-02
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    本研究では、混合型剛塑性有限要素法における、3次元モデルの解法を提案する。過去の研究では、2次元モデルの混合型解法が提案されている。2次元モデルの解法では、応力を要素内で線形にすることにより、混合型解法の問題点であるロッキングとアワグラスモードを回避している。本研究では、これを3次元モデルに拡張した手法を提案するため六面体要素において新しい応力の離散化を行い、これをプログラムコードに組み込んだ。そして、過去の研究でよく取り扱われている4つの例題、「円孔のある平板の解析」、「欠陥のある厚肉円筒の解析」、「円錐台に掘削時の斜面安定解析」、および「円形基礎の支持力解析」を解いた。その結果、得られた数値解は、理論解や既往の研究結果と良好な一致を示し、本研究で提案された手法が妥当であることを確認した。
  • 島越 貴之, 西藤 潤, 小林 俊一
    セッションID: GS06-03
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
     剛塑性解析では、弾性挙動を示す剛体領域では細かい要素分割をする必要はない。一方で、塑性領域では要素が粗いと極限荷重を大きく見積もってしまうため、細かい要素分割が必要である。そこで、本研究では四角形要素を用いた2次元混合型剛塑性有限要素法に対して、粗い要素を用いた予備的な解析の事後評価により塑性領域の要素を細かく再分割するアダプティブ法を適用した。四角形要素を用いた混合型剛塑性有限要素法ではアワグラスモードが生じやすいため、形状関数や積分点数、応力の離散化などを工夫した手法を開発した。数値解析例として「スリット付き平板の引張り問題」を解き、その結果は理論解と良好な一致を示した。
  • フェムト・スケール構造体へのエネルギー流れ
    北澤 一善
    セッションID: GS06-04
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    ヒッグスメカニズムの過程に対して、標準型ヒッグスボソン(H0)の質量をヒッグスボソンの海におけるフェムト・スケールのレイノルズ数を用いた流体力学的な考察により再吟味する。この解析において2つのゲージ粒子(W及びZ粒子)を代表として選び、これらがそれぞれ質量を獲得する過程について記述する。流体力学的H0(f.m.- H0)の質量値が相対論的に128.6 GeV/c2 と計算されるが、これはヒッグス場の漸近的な理論値に比べ6.6%程大きい。この質量値の差異はf.m.- H0の断面積評価が幾らか過剰であることを示している。何となれば、この数値計算においてはヒッグスの海におけるf.m.- H0の形状を球と仮定したが、一方、我々の理論解によればH0は(f.m.-H0の断面円に内接する)切頂八面体(tr-O)であったからである。それ故、f.m.- H0の流れに対する抗力(その断面積に比例する)がヒッグスメカニズムによる獲得質量に対応することから、この質量過剰値を減ずることが出来る。
  • 舟田 敏雄, 宮内 太積, 望月 孔二, 大庭 勝久, 青木 悠祐
    セッションID: GS06-05
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    2本の糸で物体が吊り下げられた「2点吊り振り子」は、3つの振動modeを持っており、それらのmodeは線形振動では独立であるが非線形振動領域では連成振動系となる。本報告では、それらの振動modeの個々の構造と様々な連成振動を解明したので報告する。
  • 非線形振動の数値解析
    宮内 太積, 舟田 敏雄, 望月 孔二, 大庭 勝久, 青木 悠祐
    セッションID: GS06-06
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    並進振子の免振への応用が提案されている.本研究でも水平加振装置に設置された枠組みから糸でアルミ板を吊り下げ,下側に 小振子を取り付けた場合の運動を実験しているが、2 点吊り振子(並進振子) と小振子の連成振動は二重振子の連成振動として解析でき ,振幅が大きくなり非線形振動の領域でどのような現象が発生し得るか予め調べる必要がある.その視点から,内部共振の解析例を参考に、本報告では二重振子 の高調波/分数調波の内部共振の機構の解析を試みる.
  • 谷澤 一雄, 天牛 將博, 山本 和夫
    セッションID: GS06-07
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    ラク゛ランシ゛ュ点近傍での衛星の運動挙動の特性については、十分な議論がなされていない。太陽ー地球系でのL4点については安定な振動解があることは示されているが、軌道の特徴については多くの数値解が紹介されているもののその特性は明示されていない。L3点については安定な振動解の有無すら明確でない。今回、L4点近傍での衛星の運動は、1年周期で長軸と短軸の比が2となる楕円軌道と220年ほどの周期で黄道面に沿った円弧状の楕円軌道の二つの基本軌道の組み合わせからなること、及び初期条件を適切に選べば、この2つの基本軌道は分離できることが明らかにできた。  また、L4点周りにある暗黒ガスから物体におよぼす外力を速度比例型の減衰力として考慮したときの衛星軌道の変化の特徴も明らかにできたので報告する。  さらにL3点周りの衛星軌道についても、適切な初期条件下では1年周期の安定な振動軌道があることなどの特性も明らかにできたので報告する。
  • マルチコア・プロセッサにおいてOpenMPを用いてマルチスレッディング
    陳 健, マトゥティス ハンス・ゲオルグ
    セッションID: GS06-08
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    我々は凸多面体を用いた摩擦モデルに関しての離散要素法の実装を行った。多面体相互作用は多面体の重なり部分を使い計算した。計算量が大量になることを抑え、高速化させるには並列化が必要となる。マルチスレッディング並列化を行うために我々は2種類のアプローチを採用した。1つは動的スレッド配分を行い、仕事量を実行時間内で分配した。もう一つは静的スレッド配分を行い、多面体の計算に必要な計算量に合わせて仕事量をコンパイル時に分配した。その結果、少数のコアを有する動的スレッド配分は実行時間内で生成される計算オーバーヘッドの原因により計算が非効率となった。
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