村落社会研究ジャーナル
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30 巻, 1 号
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〈特集〉 東アジア地方社会にみる人口移動と親族文化の変容
〈村研年報合評〉 『日本農村社会の行方―〈都市-農村〉を問い直す』
  • 越智 正樹
    原稿種別: 書評論文
    2023 年30 巻1 号 p. 25-29
    発行日: 2023/10/25
    公開日: 2024/06/03
    ジャーナル フリー

     『年報村落社会研究』(以下、村研年報)は、本学会の最も重要な成果物として年に一回発刊されてきた。村研年報のメインとなる「共通テーマ」は、学会の研究蓄積をふまえつつ、新たな研究の方向性を打ち出すために毎年設定され、本大会のテーマセッションでの発表を経て原稿化される。

     この共通テーマの内容については、年報の「研究動向」でふれられるが、各年度の業績紹介が目的であるため、十分に取り上げる紙幅は用意されていない。学会の力を結集してつくった共通テーマならば、本来、多くの学会員に開かれる形で、さまざまな観点からその意義や課題が議論されるべきであろう。従来の研究蓄積や共通テーマとの対話はもとより、各自の調査経験との照合、隣接分野との接点や連動性、あるいは国際比較の可能性や理論的な意義など、多くの検討すべき事柄があるはずである。

     本企画では、村研の特徴でもある二つの媒体(村研年報と村研ジャーナル)を活かし、村研年報の共通テーマを村研ジャーナルにおいて、合評対象として取り上げることとした。この企画を通して、村研大会のテーマセッションで頭に浮かんだ意見やアイディア、年報を読んでえた読後感など、いままで共有化できなかった会員の声に耳を傾けることで、議論の輪がさらに広がることを期待したい。

     

    本書の構成

    第1章日本農村社会の行方を問う(藤井和佐)

    第2章「消費される農村」再論―集合体、関係性の視点から(立川雅司)

    第3章六次産業化にみる農村性の構築―長野県における若手就農女性の事例から(小林みずき)

    第4章いくつもの「移動に住まうこと」から問う場所―北海道屈斜路湖周辺の観光・レクリエーションを事例として(北島義和)

    第5章プラネタリー・アーバニゼーションと農村社会の行方(玉野和志)

  • 小口 広太
    原稿種別: 書評論文
    2023 年30 巻1 号 p. 30-34
    発行日: 2023/10/25
    公開日: 2024/06/03
    ジャーナル フリー
  • 足立 重和
    原稿種別: 書評論文
    2023 年30 巻1 号 p. 34-40
    発行日: 2023/10/25
    公開日: 2024/06/03
    ジャーナル フリー
研究会
  • 大野 晃
    原稿種別: 講演記事
    2023 年30 巻1 号 p. 41-50
    発行日: 2023/10/25
    公開日: 2024/06/03
    ジャーナル フリー

     2022年の大会テーマセッションは「アクションリサーチという問い:フィールドワークとの向き合い方を考える」であった。「アクションリサーチ」は、私たち村研の多くの研究者が行ってきた方法であり、大会終了後には、「大野先生の話を聞きたかった」という声が聴かれた。確かに、若い会員の皆さんは、大野先生の調査スタイルをご存じないのではないか。そこで、同テーマで、大野先生に語っていただけないか、打診してみた。固辞されていたのだが、東京、巣鴨の十文字学園女子大学巣鴨サテライトなら、新幹線で1・2時間程度で来ていただける。大友由紀子会員に協力を要請し、2023年2月19日13:30~15:30の日程で、開催することができた。以下は、その講演録である。

     大野先生は、現地調査を行うかたわら、現地の住民との対話の中から、住民が自ら問題解決のために行う活動を支援されてきた。講演では著名な3つの事例が語られた。大野先生は高知大学勤務時に、高知の山村をほぼ全域調査された。ムラビトよりもムラのことを知っていると言っても過言ではない。その中から、原点ともいえる社会問題への取り組みと調査(アクションリサーチ)について十和村の調査を、また、森林環境問題では秋田県上小阿仁村の調査を語っていただいた。住居を購入して森林と野生生物の問題に取り組んだ北海道津別町については、時間が足らず、十分なお話が聞けず、とても残念であった。

     なお、文中の[ ]内は、大友会員と中道による補足である。

    (京都女子大学中道仁美)

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