児童学研究
Online ISSN : 2436-567X
Print ISSN : 2434-4508
最新号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • ―児童学をともに探究する場―
    ⻄ 隆太朗
    2024 年 48 巻 p. 3-
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/12
    ジャーナル オープンアクセス
  • ―津守眞の保育論に基づく内的体験の視点―
    ⻄ 隆太朗
    2024 年 48 巻 p. 15-23
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では⼦どもの表現を、外的成果や技術的達成を超えて、⼦ども⾃⾝の内的体験を尊重する視点をもって理解することについて、主として津守眞の保育論と、関連する⼼理療法学の知⾒を⽤いて論じた。⼦どもは設定された表現活動に限らず、意識的に意図しない場合を含めて、つねに表現している存在である。また、⼦ども⾃⾝から⽣まれる表現の中には⾃⼰実現への願いが込められていると捉えられるから、表現を促し理解する過程は、保育にとって基本的なものと⾔える。保育者がこうした理解を深める際には、保育環境や⽂化的⼟壌といった側⾯を含めて、保育者⾃⾝がどのような影響を与えているか、⾃らを問う省察を⾏うことが重要であるし、またその理解を⽬の前の⼦どもたちに照らして検証することが必要である。⼦どもとの対話の中で理解と関係を深めていく相互的な過程が、⼦どもたちが充実した表現の体験を通して成⻑していくことを⽀えると考えられる。
  • ―‟Young Child Observation”に⾒るタビストック式乳幼児観察法の展開―
    波多野 名奈
    2024 年 48 巻 p. 24-29
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/12
    ジャーナル オープンアクセス
    観察による⼦ども理解の質の向上はどのようになされるのか。どのような訓練や研修に寄れば、保育者たちの⼦ども理解が深まり、⼦ども⼀⼈ひとりの⼼的経験に配慮した保育実践が可能になるのか。本稿はこのような問題意識のもと、⼦どもを「観察する」ことの本質に⽴ち戻り、英国発祥のタビストック式乳幼児観察法に注⽬する。当該観察法に焦点を当てた書籍は⽇本でも近年次々に出版されているが、これまではその多くが観察場⾯を家庭に限定しており、保育の場における⼦どもの情緒的経験を取り上げるものは少なかった。ここで取り上げるラスティンらの『Young Child Observation』は、保育場⾯が多く登場する点が特徴的である。本稿は当該書籍の概要を踏まえながら、特に⼊園時の観察事例を取り上げ、その実践的・学術的価値について検討する。
  • ―全国9園の園⻑の取り組みから―
    中島 美那⼦, ⽊村 由希, 神永 直美
    2024 年 48 巻 p. 30-37
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、現職の前に保育や幼児教育以外の職に就いており、保育・幼児教育を学⽣時代に学んでこなかった園⻑に特徴的なリーダーシップのあり⽅や園運営の⽅向性などについて調査した。調査⽅法は、半構造化⾯接法を⽤いて全国の教育・保育施設の園⻑9名に⾯接を⾏った。その結果、共通点としての「⾒渡し進める園運営」と「与え育てる保育組織」の2つのコアカテゴリーと、それぞれに「『保育の常識』への挑戦」、「より良い園運営の追求」、「俯瞰的視点の保持」、「成⻑のための研修」、「キャリア形成」の5つのカテゴリー、そしてさらに11の概念が認められ、他職種を背景にもつ園⻑のリーダーシップが⾒出された。
  • ⿑藤 友⼦
    2024 年 48 巻 p. 38-46
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/12
    ジャーナル オープンアクセス
    COVID-19感染期では、それまでの⽣活様式が⼀変したため、⼦どもや養育者のメンタルヘルスに対する対策が急務であった。そこで、本研究ではCOVID-19感染流⾏期における養育者の精神健康に着⽬し、どのような要因が養育者の精神健康に関連するのかについて、⽇本国内の調査研究をレビューした。その⽬的は、養育者の精神健康とその関連要因についての知⾒と今後の課題を検討することである。⽂献抽出⽅法は、医学中央雑誌で養育者の精神健康やストレス要因について調査した論⽂を検索した。その結果、6編についてレビューを⾏った。研究毎に対象者は異なり、精神健康度の指標も多様だった。また精神健康との関連を検討した個⼈要因・⼦どもの要因も研究毎に多様であった。今後は、ある程度代表的なサンプルを⽤いて、COVID-19収束期における養育者のメンタルヘルス及び⼦どものメンタルヘルスの両者に着⽬し検討することが望まれる。
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