目的:看護過程を習得中の看護学生が看護過程の「アセスメント」と「看護診断」の段階においてどのようなことを考えていたかの現状の把握と困難であったことについて明らかにすることである。
方法:初めて患者を受け持つ臨地実習を履修した看護系大学3年生10名を対象に、半構造化面接を実施し、質的に分析した。
結果:分析の結果、【情報収集するための土台を作る】【決められた視点から観察してみる】【膨大な情報の中から必要なデータを探し出す】【データに裏づけられた個別性のあるアセスメントをする】【妥当な看護問題を抽出する】【妥当な看護計画を立案する】【根拠のある行動を意識する】【自分の行動を振り返り評価する】【学生だから、オンラインだからと言い訳せざるを得ない】【臨床推論を現場に適用するために様々な制約に苦戦する】の10カテゴリーが抽出された。
結論:看護学生は、観察することや必要なデータを見極め取捨選択すること、データに裏づけられたアセスメントすることに困難を感じていることが明らかになった。看護学生は、臨床推論のサイクルのステップの一部を思考できており、臨床推論の視点を教育することで臨床推論力が育成される可能性があると示唆された。
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