日本循環器病予防学会誌
Online ISSN : 2759-5323
Print ISSN : 1346-6267
40 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 上嶋 健治, 鎌田 弘之, 瀬川 郁夫, 中村 元行, 平盛 勝彦
    2005 年40 巻3 号 p. 167-172
    発行日: 2005/10/31
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    岩手医科大学附属病院を退院した循環器疾患患者に、効率良く予後調査を行うことを目的に、 I-CAREという活動を開始した。システムの簡略化のために、登録項目は退院時サマリーから情報収集できるようにし、さらに退院約1年後には、医事コンピュータの受診歴、紹介元医療機関への照会、患者宅への調査票郵送と未返送者への電話調査を行い、地方紙の死亡記事も参照して予後を調査した。半年間1,065名の生存退院者の1年後に、上記調査法により62例の死亡例を含み、99%の症例の予後が判明した。また郵送調査は全患者の13%、電話調査は6%に行うのみで良かった。また、死亡例での死因は悪性新生物が23%と最も頻度が高く、循環器専門施設の退院患者であっても癌の発症に留意して経過を観察する必要があることが示唆された。I-CARE活動により効率が良く、追跡率の高い予後調査が行えた。
  • 循環器疾患リスクの分布
    森岡 聖次, 山中 亜紀子, 西之坊 純子, 平井 安子, 山下 佳代, 坂田 清美
    2005 年40 巻3 号 p. 173-180
    発行日: 2005/10/31
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    [目的] 健康日本21の市町村計画策定の基礎資料を得るため、地域における循環器疾患を始めとする生活習慣病のリスク分布を明らかにする目的で、ベースライン調査を行った。
    [対象と方法] 和歌山県新宮保健所串本支所管内の全中学生685人、全高校生837人、20~69歳の無作為抽出者2,000人 (抽出率14%) について、2002年に自記式調査を実施した。
    [結果] 中学生では回答率98%、高校生では85%、成人では53%であった。中学生の飲酒経験率は70%近く、高校生では86%で、ともに2000年全国調査に比較して20ポイント近く高率であった。喫煙率は習慣的に喫煙している者は中学生では約10%、高校生では学年とともに上昇し、高3男で34%、女で16%と成人女よりも高率であった。成人の生活習慣では、朝食欠食率が男20%以上、女10%以上と高く、運動習慣、1日30分以上の歩行でも、文部省コホートと比較して出現頻度は低かった。飲酒率は年齢調整率で男61%、女30%、喫煙率は男48%、女10%であった。喫煙者では能動喫煙・受動喫煙に関する知識が、非喫煙者に比べて低かった。
    [結論] 学校と地域を有機的につなぎ、健康日本21を定着推進させる方策が必要であり、またこれらのベースライン調査結果がどのように推移していくのか、適時にモニタリングする必要があると考えられた。
  • 青野 蓉子, 菊谷 昌浩, 原 梓, 大久保 孝義, 近藤 健男, 浅山 敬, 井上 隆輔, 目時 弘仁, 小原 拓, 新谷 依子, 橋本 ...
    2005 年40 巻3 号 p. 181-189
    発行日: 2005/10/31
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    【背景・目的】無症候性脳血管障害は脳卒中の高危険群であると考えられている。降圧療法の進歩とともに脳出血発症は減少してきたが、脳梗塞の有病率は依然として高率である。このような状況は、既知の主要な危険因子のコントロールだけは不十分であることを示唆しており、脳卒中に関する他の危険因子の発見・コントロールが必要と考えられる。フィブリノーゲンは血液粘度の主要な決定因子であり、フィブリノーゲン高値は脳梗塞リスクと関連している可能性がある。本研究は、一般住民において、フィブリノーゲンと無症候性脳血管障害 [ラクナ梗塞および脳室周囲高信号域 (PVH)] との関連を明らかにすることを目的とした。
    【方法】岩手県大迫町の55歳以上の一般住民で頭部MRIを撮影した662人 (平均年齢66.6±5.3歳、男性32%) を対象に、フィブリノーゲンと無症候性脳血管障害との関連を横断的に検討した。
    【結果】ラクナ梗塞の数が多い群ほど、フィブリノーゲン値は有意に高値であった (P=0.0008) 。各種危険因子で補正後も、フィブリノーゲンの1SD (63.5mg/dl) 上昇ごとのラクナ梗塞のオッズ比は1.29 (P=0.004) と有意であった。また、フィブリノーゲンと24時間自由行動下血圧はそれぞれ独立してラクナ梗塞と関連しており、両方高値の群 (フィブリノーゲン≧332mg/dlかつ24時間自由行動下血圧≧135/80mmHg) ではラクナ梗塞を有するオッズ比が2.50倍と著しく高値であった。フィブリノーゲンとPVHに関連は認められなかった。
    【結論】本研究からフィブリノーゲンとラクナ梗塞との関連が示唆された。フィブリノーゲンはラクナ梗塞の危険因子あるいは予測因子として応用の可能性があると考えられる。
  • 家庭血圧による降圧効果比較試験 (照る照る坊主)
    中元 秀友
    2005 年40 巻3 号 p. 190-198
    発行日: 2005/10/31
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 竹森 幸一, 山本 春江, 浅田 豊, 工藤 奈織美, 千葉 敦子, 仁平 將
    2005 年40 巻3 号 p. 199-204
    発行日: 2005/10/31
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 蒲浦 光正, 川上 ちひろ, 杤久 保修
    2005 年40 巻3 号 p. 205-211
    発行日: 2005/10/31
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    平成15年度厚生労働省定期健康診断結果調によると労働安全衛生法に基づく定期健康診断の有所見率は47.3%にのぼる。一方、平成16年度国民生活基礎調査によると過去1年間に健診 (健康診断や健康診査) や人間ドックを受診しなかった人の割合 (20歳以上) は国民の36.1%で、このうち自営業主や家族従事者、家庭の主婦などは約半数が受診していない。受診しない理由として「受ける時間が無い」とか、「受診が面倒」などがあげられる。そこで注目されるのが在宅健診であるが、これまでは精度が悪いとか、まとまった健診としての検査ができないなどの理由であまり普及していない。しかし、最近になって血液検査については遠心法の登場によって精度が大幅に向上したことと、血圧計、心電計が小型、軽量化、操作が簡素化したことで、在宅での総合健診が可能になってきた。そこで、自宅でできる総合健診「ホームドック」を開発した。現在検討段階ではあるものの、在宅でのこのような総合的な健診が普及すれば、これまで健診とは無縁であった層の生活習慣病罹患率の低減が期待できると考えられる。
  • 岡山 明
    2005 年40 巻3 号 p. 212-218
    発行日: 2005/10/31
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 広明
    2005 年40 巻3 号 p. 219-222
    発行日: 2005/10/31
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    Information Technology (IT) 技術を使い遠隔で、自宅に於いて簡易に健康管理、生活習慣病を予防するシステムを東京都内の集合住宅で実践する事が出来た。「無意識・無拘束・無侵襲」をキーワードに全て無線でデータ転送をするバイタルセンサー類、ビジネスモデル (東京サーハウス) を紹介する。
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