日本循環器管理研究協議会雑誌
Print ISSN : 0914-7284
35 巻, 1 号
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  • 井関 邦敏
    2000 年35 巻1 号 p. 1-7
    発行日: 2000/01/31
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    沖縄県はわが国有数の長寿県として知られている。しかし, 生活習慣や食習慣の激変から, 疾病構造も変化してきていると考えられる。我々は, 沖縄県下の全ての慢性透析患者を1971年の透析療法開始以来登録している (OKIDS) 。一方, 沖縄県総合保健協会 (OGHMA) では1983年度より, 県下の全地域の住民を対象にした集団検診の成績をコンピュータに登録している。この二つの登録データを照合することにより, 検診の各成績からの末期腎不全発症の危険度を推定できる。分析の結果, 蛋白尿陽性, 血尿陽性, 高血圧, および血清クレアチニンの上昇 (男≧1.4mg/dl, 女≧1.2mg/dl) が有意な因子であった。すでに慢性透析に導入された患者では低アルブミン血症および低拡張期血圧が有意な予後規定因子であった。最近, 糖尿病および高血圧による末期腎不全が増加しており, 一般住民での有病率の増加および治療が不充分であることが推察される。
  • JAMP study中間報告
    JAMP Study Group
    2000 年35 巻1 号 p. 8-16
    発行日: 2000/01/31
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    心筋梗塞症 (MI) の二次予防と長期予後の改善にAngiotensin converting enzyme inhibitor (ACEI) が有効か否かを, 高脂血症非合併例, 合併例のそれぞれで明らかにするため, 初MI生存退院例を対象として無作為比較対照試験を行った。全国43施設から登録された1028例中, 1025例が解析可能であった。男性799例, 女性226例で, 平均年齢は62.4±10.7歳であった。高脂血症非合併例は906例でACEI投与群445例と非投与群461例に, 高脂血症合併例は119例で, それぞれ56例と63例とに振り分けられた。薬剤割付け状況は高脂血症合併群, 非合併群ともに均等であった。今回は中間報告として, ACEI投与群501例と非投与群524例で, 登録時の臨床背景解析と1998年12月31日までの予後解析を行った。
    臨床背景には, ACEI投与群で喫煙者が多く, 経皮的冠動脈形成術施行例が少なかった以外は2群間で差がなかった。観察期間は平均3年7ケ月で, 994例 (97%) での心事故発生率をKaplan-Meier法で求めた。突然死, 心臓死, 非致死的心筋梗塞症, 入院を要する狭心症および心不全, 冠動脈バイパス術または経皮的冠動脈形成術を心事故とした。5年間での心事故発生率は, ACEI非投与群30.1%, 投与群26.5%で, 後者で低い傾向にあるが, 有意差はなかった。本研究は, データセンターを専門管理組織 (Contract Research Organization) に設置し, 欧米と同様のスタイルで行った, 本邦ではじめての多施設共同大規模ランダム化臨床試験で, 2000年12月に最終予後確認を行い, ACEI の二次予防効果の有無を明らかにする予定である。
  • 個人開業医と総合病院の施設分類別による検討
    大森 久司, 羽野 卓三, 久保 隆史, 西尾 一郎, 伊藤 周平, 中谷 俊生
    2000 年35 巻1 号 p. 17-22
    発行日: 2000/01/31
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    1997年2月, 和歌山県医師会内科医会に属する個人開業医 (医院), 総合病院 (病院) を対象に, 高血圧患者の初診時における原因検索あるいは標的臓器障害の評価のための検査とその所見, 治療開始時の血圧, 生活習慣改善指導の状況についての実態調査を行った。アンケート方式の調査を行い156施設から7647症例の回答を得, これを施設分類別に比較検討した。医院では女性の受診率が高かった。初診時に施行された検査のうち, 心電図, 胸部X線, 尿検査は医院, 病院ともに7割以上施行されていたが, 心臓超音波検査 (心エコー) は病院で55.1%, 医院では15.7%と低く, 眼底検査は, 各々25.7%と24.6%と低かった。これらの検査で有意所見を認める割合はいずれの検査においても病院の方が医院に比較し有意に高かった。初診年が1996年以降の場合でも同様の結果であった。生活習慣指導については, 減塩指導が医院93.2%, 病院96.2%と最も多かった。運動療法と肥満の改善は, 各々78.3%と75.3%, 69.7%と79.1%であった。禁煙指導は病院で74。8%であるのに対して, 医院では45.1%と低値であった。減塩指導, 肥満改善指導, 禁煙指導は病院で多かったが, 運動療法は医院で多かった。1996年以降の例についてみた場合, 減塩指導と肥満改善指導では差がなく, 運動療法は医院で多く, 禁煙指導は病院で多かった。
  • 池田 義雄
    2000 年35 巻1 号 p. 23-30
    発行日: 2000/01/31
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    昭和30年代後半から, 我が国の疾病構造が感染症優位の時代から非感染性疾患に推移し始めた中で成人病対策がとられるようになった。そして, 21世紀を目前にこの呼称では加齢による影響が色濃く, 罹患は致し方ないものという捉え方もみられるなどから, 平成8年12月厚生省は, それまで用いてきた「成人病」という呼び名を「生活習慣病」とした。
    成人病対策では, 特に動脈硬化性疾患としての脳卒中や心臓病, 更には癌についても早期発見, 早期治療という二次予防が中心であった。しかし生活習慣病対策では, これらへの罹患を促す背景病因である高血圧, 糖尿病, 高脂血症, そして肥満など, 遺伝を背景に持つとは言え生活習慣が根強く関与する疾患群の一次予防をも視野にいれている。このような認識に鑑みて生活習慣関連疾患としての「生活習慣病」が提言されたという訳である。
    ここでは, 21世紀における我が国の糖尿病像を生活習慣病というコンセプトの中で捉え, 疫学から糖尿病の診断, 予防ならびにセルフケアと治療の在るべき姿までを展開することにしたい。
  • 檜垣 實男, 勝谷 友宏, 荻原 俊男
    2000 年35 巻1 号 p. 31-34
    発行日: 2000/01/31
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 沼田 直子, 山上 孝司, 〓島 茂, 鏡森 定信
    2000 年35 巻1 号 p. 35-43
    発行日: 2000/01/31
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    成人期の慢性疾患 (生活習慣病) に小児期の生活習慣およびその他どのような要因が影響を及ぼすのか, その関連を明らかとすることを目的とした長期コホート調査「富山スタディ」が3歳と小学1年の2つの時点で終了した。その結果より, 主に体格変化の推移と過体重への体格変化を来した者に関して解析を行った。結果は以下のとおりであった。
    1) BMIは小学1年において3歳よりも有意に小さくなり, 両時点ともに男女間でも有意差が認められ, 成長に伴って女子は男子より身長に比し体重が軽い者が多い傾向が見られた。
    2) BMI18以上の者は小学1年の時点で約2倍に増加していたが, 3歳小学1年両時点で過体重だった者は約半数であった。全体では過体重, 正常, やせいずれの体格でも同じ体格を維持したものが8割弱で, 3歳時点で過体重, やせ群であったものの約半数が小1時点で体格上別の群に移動していた。これは, 母親の体格変化と有意に連動していた。
    3) 体格変化に影響を及ぼす生活習慣では, 食事の食べる早さと関連が強かったほか, 睡眠時間・就寝時問と関連があり, 夜型生活の影響が見られた。
    以上より年齢が上がるに従い, 生物学的要因に加え環境要因の影響が強くなる傾向が見受けられ, 生活習慣の家族内伝達が重要と考えられた。
  • 崎原 盛造
    2000 年35 巻1 号 p. 44-51
    発行日: 2000/01/31
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 上島 弘嗣
    2000 年35 巻1 号 p. 52-56
    発行日: 2000/01/31
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 上畑 鉄之丞
    2000 年35 巻1 号 p. 57-59
    発行日: 2000/01/31
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
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