本研究は,X 線CT のビーム幅測定における,X 線検出体を用いた従来法の問題点を解決するペンシル型電離箱線量計を用いる手法について,ワイドビーム幅の計測精度に主眼を置いて検証した論文である.近年,100 mm 長のペンシル型電離箱線量計とタングステンリングを用いた計測法が提案されている.本研究では,100 mm の線量計を移動しながら300 mm 長の空気カーマ長さ積を測定し,その際にタングステンリングを用いることで,ワイドビーム特有の問題点であるヒール効果による影響がビーム幅の測定精度に影響することを明らかにした.また,タングステンリング幅,管電圧,公称ビーム幅を可変させた際の,ビーム幅計測法の考案と誤差の要因を特定し,その補正法を開発した.医療被ばくの中で線量が多いCT 装置では,線量測定の精度は被ばく管理にも大きく影響する.また,近年ではワイドビーム撮影が可能なCT 装置が多く普及する中,本研究は大変貴重な研究内容であり,瀬木賞に相応しいと考え推薦した.