実践英語音声学
Online ISSN : 2435-5003
2 巻
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
研究論文
  • 空間距離を表す意味概念と調音軌跡の関連性について
    横山 安紀子
    原稿種別: 研究論文
    2021 年2 巻 p. 1-17
    発行日: 2021/03/31
    公開日: 2025/03/31
    ジャーナル フリー
    本稿は音韻象徴徵性の生じる要因の1つとして「調音ダイナミズム」を提案し,無意味語実験による検証結果を報告するものである。ここでは異なる空間距離を表す視覚刺激と,異なる調音点距離を示す音連続から成る無意味語を組み合わせ,英語母語話者を対象にマッチング実験を行った。結果としては無意味語の組合せに肯定的回答を避ける傾向が見られ,否定的回答が全体に多く見られた。しかしその中でも意味概念と調音点の距離の長短の相反する組合せについては,顕著に多い否定的回答が見られた。このことから意味特徴の認知と調音運動にはある一定の関連性があることを示唆する結果となった。
  • 孫工 季也, 上野 舞斗
    原稿種別: 研究論文
    2021 年2 巻 p. 19-31
    発行日: 2021/03/31
    公開日: 2025/03/31
    ジャーナル フリー
    本研究は(1)内円圏の聞き手と拡大円圏の聞き手の英語発音の「自然さ」の認識パターンは同じか,(2)拡大円圏の聞き手の間に評価の違いは見られるか,という問いを基に英語母語話者13名,日本人英語学習者33名,インドネシア人英語学習者8名の3群を対象に行った。実験では対象者計53名に挿入母音の有無や核音調の異なる16種類の音声を聞き,その自然さを10段階で評価するよう依頼した。結果として,どの群も母音挿入のないものを自然とする傾向があること,母音挿入がある音声をインドネシア人英語学習者よりも日本人英語学習者が低く評価したことが明らかとなり,内円圏の聞き手と拡大円圏の聞き手の英語発音の「自然さ」の認識の傾向は同じであること,拡大円圏の聞き手の間には母音挿入に対する評価の違いがあることが明らかとなった。
  • 三浦 弘
    原稿種別: 研究論文
    2021 年2 巻 p. 33-47
    発行日: 2021/03/31
    公開日: 2025/03/31
    ジャーナル フリー
    現在のランカスター英語方言の母音特徴を分析し,他のイングランド北部英語や一般イギリス英語 (GB) と比較して考察する。単一母音ではCLOTH母音とPALM母音に特徴があり,GB同様にGOOSE母音の前舌化,及びTHOUGHT母音とNORTH母音とFORCE母音の融合と狭母音化が進行していることを示す。また,FOOT母音とSTRUT母音が同じ音素であるとは言えないことを音響的な音声分析のデータから証明する。さらにNURSE母音では綴り字が <ur> の単語と <ir> の単語では発音に差異が見られることも実証的に示す。同様に二重母音についてもイングランド北部英語の伝統的な特徴の保持と新しい変化について論じる。
実践論文
  • 学生アンケートから見るコロナ禍での教育の効果
    本沢 彩
    原稿種別: 実践論文
    2021 年2 巻 p. 49-76
    発行日: 2021/03/31
    公開日: 2025/03/31
    ジャーナル フリー
    本論では,コロナ禍中のオンライン授業による英語音声学の講義を記録するとともに,学生のアンケート結果からその教育の効果や課題について考察を行った。アンケートでは,教材,学習活動,課題等の10項目について,学生の主観的に感じる学習効果の実感と負担感を5件法で回答してもらい,自由記述回答も行った。その結果,講義ビデオは学習効果の実感が極めて高く,学習における負担感との相関からも効果が高いことが伺えた。一方で,グループ活動は最も負担感が大きかったが,学生が意欲的な学習を継続するためにクラスメイトとの交流や協働的な学習が必要であり,オンライン授業に同時双方向型を適宜取り入れる必要性を示唆した。これらの結果を踏まえて,本論ではオンライン授業として英語音声学の講義を効果的に行うための提案をした。
書評
巻末資料
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