吊橋の固有振動の中, 主索が自己の平面内で振動するものに就て計算する. そのさい風壓などの影響は考えない. また補剛桁の復原性への寄與を無視し, 且つ通常許し得る程度の近似を用ひて, 基本方程式 (5) を導く. これをノーマル函數についての方程式 (8) になおす. 垂比の小さいことを利用して攝動の方法を用い, 第一近似を求める. 荷重などの分布が一樣で, 且つ對稱性をもつている場合をやゝくわしくしらべて見る. 結論として最も注目すべきは最低次の振動は通常逆對稱曲げ型に屬することである. その速さは垂距
Dだけから定まる (31式). 對稱型の振動は, 主索の張力, 剛性, 及び垂比を含む一つのパラメタαに關係する. (對稱型の最低次の振動の速さを求めるための係數β
1, をαに對して置點したグラフを添える.) なお振動の實測にさいして振動計をどこに置くべきかという問題に觸れる. 最後に補剛桁曲げ剛性の影響を Rayleigh の方法によつて計算する.
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