多層磁気面法を用いて垂直位置不安定性とディスラプションを模擬し,その有効性を示した。トカマクをシステムとして見た場合,コイル電流を制御するエネルギー源(電源)があるため,エネルギー的に閉じていない。そのため,その力学的平衡は電源の仕事を考慮した自由エネルギー極小の状態で達成される。我々は,この自由エネルギーを導き,平衡を多層磁気面法で求めたが,さらに,平衡を時間発展させることにより,系の時間発展を求めた。この方法では,計算モデル中に主プラズマ外部の冷たいプラズマを含まないため,電磁流体モデルに比べて計算の時間ステップが長くとれる利点があり,長時間運転をする大型トカマク装置の,設計,制御研究に応用できる。
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