【目的】バージャー病(TAO)は,動静脈の血栓性閉塞部の血栓と血管壁の炎症性変化を認める疾患として報告され,しばしば壊死のため肢切断に至る難治疾患である.診断するうえで重要な所見であるコルクスクリュー側副路(CS)は,主として血管造影で診断されるが,超音波検査にて評価することも可能である.【方法】TAOと診断された22例に対し,血管造影でのCSの診断に基づき超音波検査を加え,周囲の神経や動脈との関係を観察した.【結果】全例にてCSの同定が可能であり,さらにCSと神経が伴走していることが確認できた.CSの存在部位は閉塞した動脈周辺以外にも存在し,神経内・外を伴走するものが確認でき,神経栄養血管が発達した側副路であることが示唆された.【結論】CSを検索する場合は動脈周囲だけでなく,動脈と伴走しない神経が走行している部位についても観察することが重要である.
【目的】慢性B型大動脈解離(cTBD)とくに発症から6カ月以降の後期に対するTEVARのリモデリングとリエントリー閉鎖の影響について検討した.【方法】早期9例と後期16例に分け,TEVAR術後中期の胸部偽腔リモデリングと,後期ではリエントリー閉鎖の影響について検討した.【結果】胸部偽腔の完全縮小は早期で67%,後期で13%であり,有意に早期の完全縮小率が高かった.5 mm以上の縮小を含めたリモデリング率は早期78%,後期69%と差がなかった.後期で術前後の腹部内臓分枝根部,腹部大動脈と総・外腸骨動脈リエントリーの有無,術後タイプIaエンドリークの有無で単変量,多変量解析を行い,左総・外腸骨動脈リエントリーの存在がリモデリングに影響することが判明した.【結論】後期cTBDに対するTEVARでは,中期の胸部偽腔リモデリング促進因子として,左総・外腸骨動脈リエントリー閉鎖が一番重要と考えられた.
感染性大動脈瘤の治療方針と成績
公開日: 2007/08/28 | 16 巻 5 号 p. 645-651
軽部 義久, 井元 清隆, 鈴木 伸一, 内田 敬二, 伊達 康一郎, 郷田 素彦, 初音 俊樹, 南 智行, 橋山 直樹, 坂本 哲
2020年改訂版大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン—胸部・非解離—
公開日: 2021/08/26 | 30 巻 4 号 p. 247-250
志水 秀行
オープンステント(弓部大動脈瘤手術でのFrozen Elephant Trunk(FET)法)
公開日: 2017/10/03 | 26 巻 5 号 p. 259-263
加藤 雅明
腹部内臓動脈解離—とくに孤立性上腸間膜動脈解離の治療戦略
公開日: 2013/04/26 | 論文ID 12-00064
佐戸川 弘之, 高瀬 信弥, 瀬戸 夕輝, 横山 斉, 後藤 満一, 木暮 道彦, 緑川 博文, 斎藤 富善, 前原 和平
ステントグラフト合併症の予防と治療(type IIエンドリーク)
公開日: 2022/05/31 | 31 巻 3 号 p. 129-134
森景 則保
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