風工学シンポジウム論文集
第23回 風工学シンポジウム論文集
選択された号の論文の90件中51~90を表示しています
  • 金 南昔
    金 南昔, 植松 康
    p. 301-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
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    本研究では,数値流体解析を利用して,既往の風洞実験を数値シミュレーションにより再現した。境界層乱流を対象とした適切な環境条件を検討し,数値流体解析結果を実験結果と直接比較し,解析の妥当性を検証した。最適断面形状の検討に用いた解析モデルは,従来の断面形状ではなく,翼型の断面形状を提案し,様々なパラメータを用いて解析を行った。また,風力低減効果については,大スパンモデルを用いて風上側および風下側壁の高さと屋根の形状を変化させることで,その影響を検討した。以上のことから,断面形状の制御による風力低減効果を用いた大スパン園芸用鉄骨ハウスの最適断面形状を提案した。
  • 片桐  純治, 大熊  武司, 丸川 比佐夫, 鶴見 俊雄
    p. 307-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、免震建築物の風応答予測手法確立のための資料の蓄積を目的とする。本論文 では、免震建築物の免震層の風応答性状についてレインフロー法により検討を行った結果 について示す。本研究で得られた結果は以下の通りである。 レインフロー法による解析で は、免震層変位のピークの抽出と供に、ピークの発生時刻、免震層変位ピークと同時刻の せん断力を抽出した。1) 免震層振幅とせん断力振幅の関係は、復元力特性に一致する。 2) 周期1.5 秒以上の免震層せん断力振幅の確率密度はレイリー分布にほぼ一致する。変 位振幅の確率密度はせん断力振幅の確率密度より変数変換によって求めることができる。 3) レインフロー法で求めたピークの平均値(変動中心変位)は、免震層の塑性化により生じ る時々刻々の平均変位の変化を表しているものと考えられる。
  • 藤井 美久, 勝地 弘, 山田 均, 西尾 真由子
    p. 313-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
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    超長大吊橋の1つの形式として,1938年に提案された斜長吊橋は,架設作業の煩雑さなどの理由により,実現されてこなかったが,現在,第3ボスポラス橋にて実現されようとしている.今後も超長大橋の形式の1つとして注目されると思われる.そこで,本研究では,斜長吊橋のスパン長,斜長区間などを変化させた斜長吊橋モデルを作成し,構造特性,フラッター特性を解析的に検討した.
  • 高島 優, 比江島 慎二
    p. 319-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
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    円柱の流力振動を増幅するためのフィードバック制御法について検討した.この制御では,円柱の流力振動応答に応じてリアルタイムで円柱上流に設置した平板をリニアアクチュエータにより駆動する.そして,平板の並進加振で生じる変動流を円柱に作用させることで円柱の流力振動を制御する.実験の結果,Tを円柱の振動周期とするとき,0.7T~0.9Tの時間遅れを与えてフィードバック制御するときに高い増幅効果が得られた.平板加振による制御特性は既往の円柱加振による制御特性と類似しているが,平板加振では円柱加振ほど高い増幅効果は得られなかった.
  • 比江島 慎二, 川東 一幸
    p. 325-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    円柱の流力振動を増幅するためのフィードバック制御法について検討した.この制御では,円柱の流力振動応答に応じてリアルタイムで円柱上流に設置した平板をステッピングモーターにより駆動する.そして,平板の回転加振で生じる変動流を円柱に作用させることで円柱の流力振動を制御する.実験の結果,平板下流端と円柱上流端の間の隙間距離Cに応じて制御効果が変化した.Tを円柱の振動周期,Dを円柱直径とするとき,C ≤ 0.50Dでは0.1T~0.2Tの時間遅れ,C > 0.50Dでは0.5T~0.6Tの時間遅れを与えてフィードバック制御するときに高い増幅効果が得られた.C ≤ 0.50Dのケースでは,比較的低い制御ゲインを与えたときに効率的に円柱応答が増幅した.
  • 山崎 智之, 河原 章夫, 太田 浩
    p. 331-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
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    近年,竜巻による突風およびその飛来物の影響によって送電線への被害が確認されている.本論では,鉄塔-架渉線連成系モデルを用いた立体弾性大変形解析を実施し,竜巻による風速場に対する送電用鉄塔の基本的な応答特性を明らかにした.竜巻による風速場を2次元ランキン渦によりモデル化し,送電線に対する竜巻の移動経路をパラメータとした.鉄塔の応答が最大を示すのは,竜巻の移動方向の右側で,竜巻中心からおよそランキン渦の最大風速半径離れた位置に鉄塔が存在する場合である.F2クラスの竜巻による応答値は,現行設計による鉄塔の応答値を若干上回るレベルにある.また,電線への飛来物の付着により,耐力上のリスクとなる可能性を有する.
  • 松宮 央登, 西原 崇
    p. 337-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
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    本研究では,ルーズスペーサ(風上配置)設置径間および標準スペーサ設置径間を模擬した4導体電線部分模型を用いて,大振幅・低振動数の3自由度風応答測定実験および空気力測定実験を実施し,ルーズスペーサのギャロッピング抑制メカニズムを明らかにした.ルーズスペーサ設置径間では,風上側のルーズ把持された導体が回転することで,4導体全体に迎角を小さくする方向の空力モーメントが作用し,ギャロッピングが発生する迎角範囲に達し難い.また,ギャロッピングが発生する迎角範囲に達した場合でも,ルーズ把持された導体が大きく回転しており,4導体全体で励振力が小さくなるため,ギャロッピングの振幅が小さくなる.
  • 立花 嵩, 和田 光平, 白土 博通, 服部 洋, 八木 知己
    p. 343-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,横風による車両横転事故を防ぐための警戒システムに関する検討を行った.車両に作用する空気力を,横風風速のみならず横風風向,車両形状及び車両速度を考慮し算出することで,車両速度を落とすことが横転事故防止に有効であること,及び横風風速・風向による横転安全性の判断基準を示した.また数分後を対象とした横風平均風速・平均風向の短期的予測手法を考案し,その精度を検証した他,閾値超過確率を用いた風速・風向の乱れ成分補正手法を考察した.上記の手法を用い,乱れ補正を加えた横風平均風速・風向を予測し,作成した判断基準に当てはめることで減速・通行規制を行う警戒システムを提案した.
  • 福澤 樹, 勝地 弘, 山田 均, 西尾 真由子
    p. 349-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    箱桁断面の橋桁の風洞実験において,縮尺の違いによる渦励振応答特性の違いが認められたため,縮尺の違う部分模型を用いて,渦励振応答特性,ストローハル数特性について,比較検討を行った.その結果,小縮尺による低レイノルズ数の影響により,渦励振応答特性が異なること,ストローハル数特性が異なることがわかった.特に,防護柵については,小縮尺の影響が顕著となりやすいことも分かった.
  • 福王 翔, 石原 孟
    p. 355-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では疲労破壊による倒壊事故を起こした太鼓山風車を対象に風車発電時の風荷重およびタ ワー高力ボルトの疲労寿命について評価および検証を行った.まず加速度,ひずみおよび回転数, 発電量など計測を行い,これに基づいて実際の制御パラメータを同定したところ,設計指針に定 められる最適制御パラメータではなくブレードのピッチ角度に 8 °のオフセットを導入して運転していることがわかった.次に,一部の高力ボルトの導入軸力が 低下した場合におけるタワー応力と高力ボルトの応力の関係を求めるために三次元 FEM 解析を行い,一部の高力ボルトの軸力が低下した場合にはタワー引張力に対してボルト応力が加 速的に大きくなることを明らかにした.最後に,以上の結果を用いて高力ボルトの疲労評価を行っ たところ,風速場の乱流強度は高力ボルトの疲労寿命に影響を与えるがボルトの軸力低下が大き くない間では 20年の設計寿命を下回ることはないのに対し,高力ボルトの軸力低下が30%を超えると乱流強度 の大きさに関係なく短期間で疲労破壊に至った.
  • ローン ジョシュア, 大屋 裕二, 烏谷 隆
    p. 361-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    小型風力発電機の研究開発において、風向変動による影響を知ることは重要であるが、小型風力発電機の実物を収納して風向変動を再現できる風洞が無かったために、リアルスケールでの具体的な数値を求めることが難しい状況が続いてきた。我々はこの問題を改善し、風向変動による影響を研究するために、実物サイズの小型風力発電機を収納できる、これまでにない回転型の風向変動風洞を開発した。回転型の風洞実験装置は従来の型に比べ、コストパフォーマンスと収納性の面で有利である。回転によって生じる影響は、風洞内の風速分布を調整する弁によって大幅に改善できることが確認された。
  • 高牟礼 光太郎, 小園 茂平
    p. 367-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    効率的に高レイノルズ数一様乱流を生成する目的で,多数のファンが面的に配置された風洞(マルチファン型風洞)を使用し,2個の低周波数成分で構成された1本の入力信号を作成し,その位相差を各ファンに擬似ランダムに与える方法(ランダム位相法)を用いて乱流を生成した.今回生成した乱流と,過去に行ったランダム位相法を用いた40個の周波数の合成正弦波による乱流と擬似格子法による乱流のレイノルズ数,乱流エネルギーの減衰特性,乱流スケールなどの基本特性を比較する.
  • 吉田 真紗子, 田辺 剛志, 義江 龍一郎
    p. 373-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    筆者らはこれまで、温度成層風洞での温度変化を伴う流れ場の風速測定にはSplit-Film-Probe (SFP )を使用してきた1)。しかしSFPは風速だけでなく温度によっても出力電圧が変化するため、温度を何段階も変化させて較正を行っているので非常に長い時間を要している。 これに対してParticle Image Velocimetry (PIV)は、温度毎に較正をする必要がない。さらに一度に多数の点を面的に測定できるため、実験時間も大幅に短縮することができる。 そこで本研究は、今後PIVを温度成層風洞での風速測定に活用していけるよう、適切な測定方法を見出すとともに、測定精度を確認することを目的とする。PIVの測定精度検証は、不安定乱流境界層の建物周りの流れ場を対象として、SFPの測定結果との比較検討により行った。 今回の検討によって、粒子画像は薄く濃淡がはっきりしていることが望ましく、煙の濃度によって適切なカメラのしぼりが変わるため実験毎に調節する必要があることがわかった。また、測定風速に応じて、適切な撮影スピード、検査・探査領域を決める必要があることがわかった。これらを適切に設定すれば、PIVとSFPによる平均風速の測定結果は非常に良く一致した。
  • 吉田 大紀, 林 泰一, 伊藤 芳樹, 林 夕路, 小松 亮介, 寺地 雄輔, 太田 行俊, 田村 直美, 橋波 伸治, 渡邉 好弘
    p. 379-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    異なる5機種の一体型気象センサー(Compact Weather Sensor、以下CWS)について、動作特性を確認するため、風洞実験と2か月間の野外比較観測を実施した。風洞実験では、1秒毎に収録したCWSからの出力とピトー管で計測した風洞の風速について、約1分間のデータについて平均と標準偏差の算出を行い、比較した。2つの機種で支柱の位置と対応した対称な風向風速特性が見られた。野外観測では、CWSと一般地上気象観測測器の同時観測を行い、10分平均値について相互比較を行った。明らかに不調となった1つの機種を除き、どのCWSもほとんどの観測要素について、基準値と良く一致し、機器仕様の範囲内で動作した。
  • 野田 稔, 岡本 力也, 山中 大輔, 細谷 顕史, 長尾 文明
    p. 385-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    近年の携帯電話やスマートフォンの普及によって、竜巻の写真や動画が記録されることが多くなり、それらを使って竜巻の強さや規模を推定できる可能性がある。そこで、本研究ではLESによって生成した竜巻状流れ場を用いて、飽和水蒸気量の分布を考えることで漏斗雲の生成面に対する湿度や最大接線風速、スワール比の影響を検討した。また、竜巻状流れ内の飛散物によって形成されるデブリ雲の見え方に対する立川数やスワール比の影響について検討した。そして、漏斗雲の雲底の高さによって竜巻の最大接線風速が推定され、デブリ雲の大きさによって竜巻の規模を評価できる可能性を示した。
  • 相原 知子, 植松 康
    p. 391-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    ルーバーやパンチングメタルなどの通気性のある建築材料は,建築物の外装材として用いられる場合がある。しかし,そのような通気性のある外装材に作用する風荷重については不明な点が多い。本研究では、高層建物の屋上周縁部に沿って設置される通気性のあるパネルに作用する風荷重の検討を目的として風洞実験を行った。通気性のある外装材は、角穴並列型の金属プレートによってモデル化し、開口率と開口部の寸法を変化させた実験を行った。風洞実験により、それらのパラメータが外装材に作用する風荷重に与える影響について把握することが出来た。
  • 寺崎 浩, 植松 康
    p. 397-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    高層建物の外装材は常に風外力にさらされており、地震外力に比べて継続時間が極端に長いという特徴がある。超高層建物の構造骨組部材は、再現期間500年の風荷重に対して概ね弾性となるように設計されているが、外装材は再現期間50年の風荷重に対して短期許容応力度で設計される場合もあり、建物の供与期間中に疲労損傷する可能性がある。本報告では、風洞実験で得られた風外力と、日本国内14地点における50年間の気象観測データを用いて、外装材の疲労損傷率を検討する。
  • 髙橋 麻衣, 星野 菜紡, ガヴァンスキ 江梨, 植松 康
    p. 403-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    強風災害時における低層建築物の外壁被害は甚大である。その背景として,外壁システムの耐風性能を正しく評価するための試験方法が確立されていないことが挙げられ,これを確立するためには外壁システムの実変動風圧下における破壊挙動を明らかにする必要がある。そこで,本研究では実際に壁面に作用する風圧時刻歴を風洞実験によって求め,この風圧時刻暦の載荷を可能とする,載荷装置を製作した。また,これらを用いて実大スケールのアセンブリ試験体に実変動風圧と段階式圧力の二種類の荷重を載荷する実物大動風圧試験を行った。その結果,載荷形式の違いによる外壁システムの耐力の違いはほぼ見られなかったが,破壊形態には違いがみられた。
  • ウィンドガーダーと風力分布の影響
    山口 貴之, 安永 隼平, 植松 康
    p. 409-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    一般的にオープントップオイルタンクは薄い鋼板で構成されるため面外剛性が低く,空のとき強風によって座屈が発生する危険性がある。本研究では,実際に近いモデルの座屈性状を明らかにするため,一連の有限要素解析を行う。風洞実験によって得られた,単体および連棟配置の場合平均風力係数分布を用いて座屈解析を行った。まず,単体モデルに対して頂部境界条件, 荷重条件,補剛リング等の各パラメータを変化させて,座屈性状に及ぼす影響を把握した。続いて,連棟配置による風力分布の変化が座屈荷重に及ぼす影響について検討した。結果として,風上側,正の風力範囲が座屈性状に大きく影響を及ぼすことが分かった。さらに,その風力範囲が卓越する配置を推定することで,連棟配置の効果を加味した設計用風荷重の設定の可能性を示した。
  • 池上 昌志, 吉江 慶祐, 佐藤 大樹, 佐藤 利昭, 北村 春幸
    p. 415-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    日本では,履歴型ダンパーを設置した超高層建物が増加している。風力の増加によって、履歴型ダンパーが降伏する可能性があるため、エネルギーに基づく検討は有用である。その際、ダンパーによる吸収エネルギーだけでなく、構造減衰による吸収エネルギーについても検討することが重要である。 本論文では弾塑性ダンパーを有する多質点モデルによる時刻歴解析結果に基づき、構造減衰によって吸収されるエネルギーの特性について述べる。
  • 勝村 章, 河井 宏允, 寺崎 浩, 田村 幸雄, 普後 良之
    p. 421-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    高層建築物の風方向や風直交方向の風力係数,転倒モーメント係数およびパワースペクトル密度等に関する研究例は比較的多く,様々な平面形状やアスペクト比を有する建築物に対して精度の高い風力モデルが提案されているが,捩り風力のモデル化に関する研究は少ない。建築物が高層化するに従い併進方向と同様に捩れ振動も卓越するため,合理的に風応答や風荷重を算定するためには精度の高い捩り風力モデルが不可欠である。本研究では変動捩りモーメント係数およびパワースペクトル密度のモデル化を行い,それに基づく応答値と,スペクトルモーダル法により実験値から直接求めた応答解析結果を比較し,モデル化の妥当性を検証する。
  • 小野 梓, 菊池 浩利, 田村 幸雄
    p. 427-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    高層建築物に設置されるフィンの形状,配置をパラメータとして風洞実験を実施し,フィンに作用する風力係数の比較を行った。隅角部から1枚目のフィンで大きな風力が作用し,フィン位置が建築物隅角部に近いほど大きな風力が作用することが明らかとなった。隅角部位置のフィンでは風力係数は-6程度,隅角部から2枚目以降のフィンでは-3程度となった。また,フィン無し建物模型の風圧から隅角部位置でのフィンの風力係数を推定し,建築物の辺長比とアスペクト比による影響は小さいなどの知見を得た。
  • 山中 徹, 鈴木 雅靖
    p. 433-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    RC造構造物が多数回繰返し荷重を受けた場合、応答が増大することが知られている。多数回繰返し荷重を受ける構造物の安全性を検討する手段として、時刻歴応答に基づく応答評価法が有効である。本論文では、強大な台風による風速の時刻歴波形を生成する手法として、経験的な台風モデルの中心気圧に,台風が熱力学的に達し得る最大の強度(可能最大強度)を導入することを提案する。東京大手町の半径500km内の南方洋上では、台風の可能最大強度(中心気圧)は900hPaであった。その可能最大強度を持つ台風によって、東京大手町の高さ74.5mに生じる最大風速は34.8m/secであった。
  • 佐久間 悠人, 田村 哲郎
    p. 439-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,上昇流と旋回流2種類のパラメータとし,feedback-forcing法と呼ばれる外力を強制的に導入する手法を用いて竜巻を再現した.その際,従来のトルネードシミュレーターでは考慮されていない不安定性と対流効果を再現するために,地面境界にヒートフラックスを導入し,地上近傍での温度勾配を考慮した場合と比較し,竜巻の発生及び生成に不安生成と対流効果がどのように影響しているかを検討した.  さらには,竜巻の非対称性を再現するため,上空に局所的な冷却を行い,浮力による下降流を表現した.熱による不安定性と対流効果,更にはダウンドラフトをはじめとする非対称性を取り入れた新しい竜巻型旋回流のシミュレーションモデルを提案し,周囲の流れ場にどのように影響しているかを検討した.
  • 野田 稔, 寺本 真太郎, 赤木 高明, 長尾 文明
    p. 445-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    防風ネットは,防風設備として利用されています.
    防風ネットによる影響の評価は経験的であるため客観的で正確な評価方法が必要でした.
    1つの方法として数値流体解析があります.
    しかし防風ネットの圧力損失係数を決定する方法はありませんでした.
    この研究では,圧力損失係数を風洞実験によって測定します.また,防風ネットの画像をフーリエ変換することによって得られた空隙率と圧力損失係数の関係を調査しました.
    この調査の結果として防風ネットの圧力損失係数は空隙率や諸寸法から決定することが明らかになりました.
    さらに,ネット周りの風速分布の調査においてもPIVによる実験結果と圧力損失係数を用いた解析結果が一致しました.
  • 野田 博, 中山 昭彦
    p. 451-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
     本論では,物体に固定した非慣性系座標でのLESの基礎方程式を示すと共に,非慣性系座標における計算領域外側の境界条件を明記した。そして,本論で示した計算手法により辺長比2の風直交方向と捩れ方向の強制加振振動時ならびに自由振動時の計算を行った。計算結果は,矩形構造物の風直交方向ならびに捩れ方向の非定常空気力を良好に再現した。物体と共に回転する非慣性系座標においては,物体に遠い位置での計算領域外側境界で慣性系座標と大きく異なる風速分布となるが,本論で示した境界条件を用いることによりスムーズな境界値が設定でき,物体に固定された並進と回転移動を伴う非慣性系座標によるLESが効率的に計算できることが示された。
  • 野田 稔, 森 一樹, 長尾 文明
    p. 457-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    竜巻はいつ,どこで発生するか予測が困難である.そのため実測は極めて困難とされている.本研究では,竜巻の特性を理解するために,移動式竜巻シミュレータの数値流体解析による再現,また,風洞実験により竜巻状流れ場の研究を行った.本研究ではLESを用いて,数値流体解析を行った.また,竜巻状流れ場の流入口,ベーン及び装置の外側の境界条件の影響も調査した.さらに,3D-PIVを使った実験では,移動する竜巻状流れ場の3次元流れの様子を検討した.
  • ファム バン フック, 野津 剛, 菊池 浩利, 日比 一喜, 田村 幸雄
    p. 463-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,二つsub-grid scale(SGS)モデル,標準SmagorinskyモデルとCoherent-Structure Smagorinsky(CSM)モデルによるLESを用い,一様流中でのセットバック建物の局部風圧の予測精度とその近傍流れ場の再現性を調べた.いずれのモデルも,入隅部付近の局部風圧を再現するには建物近傍で十分な高解像度の格子が要求されるが,CSMモデルの方がより実験値に近い結果となった.また,計算結果の可視化により,対象としたセットバック建物は低層屋根面の前縁で剥離した渦と馬蹄形渦との干渉により壁面入隅部付近に強い乱れが発生しており,その領域に大きな局部風圧が発生することが分かった.
  • 須藤 仁, 服部 康男, 中尾 圭佑
    p. 469-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    空間的に発達する乱流をLESで計算するための流入境界条件の設定方法として,リニアフォーシングに着目し,リニアフォーシングにおいて乱流長さスケールを規定する方法を考案した.等方乱流を対象としたLESの結果から,本リニアフォーシング法のLESへの適用性,乱流長さスケールを規定する方法の有効性を評価した.その結果,全散逸率に対するサブグリッドスケール散逸率の比が0.6より小さくなる格子条件下において,リニアフォーシングで生成されるべき等方乱流の基本的な性質を再現できた.また,本リニアフォーシング法で導入される時間平均長さの設定により,パワースペクトルの低波数域を変化させ,乱流の長さスケールを調整できることが示された.
  • 金 敏植, 加藤 信介, 大場 良二, 大浦 理路
    p. 475-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    原子力発電所事故時の迅速な放出量推定手法の構築を目指し、単位放出源強度に基づく拡散シミュレーション結果から観測地点の大気拡散物質濃度の伝達係数を評価し、この伝達係数と観測値から放出源強度を求めるいわゆる逆解析を用いた放出量推定の(STE: Source Term Estimation)手法を開発した。本報では、放出源近傍の観測データに適用するため、拡散シミュレーションとして、厳格な技術基準の下で実施された風洞拡散実験データを正規拡散式で近似する拡散モデルを比較対象として用いこれに基づく逆解析法を検証した。これにより、風向変動に起因する放出量推定精度低下を改善する対策として、1時間平均観測データを用いることで精度改善が図れることを確認した。
  • 野村 卓史, 本橋 拓磨
    p. 481-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    強風災害では,風の力の直接的な作用による被害のほかに,飛来物による被害が問題となる.任意形状の物体が加減速を伴う回転運動をしながら飛翔する状況を解析することを目的として,飛来物の飛翔に影響する空気力を数値流体解析によって動的に評価し,飛来物の運動方程式と流体解析の方程式を連成させて解き進める方法を試みた.長い距離の飛翔の全範囲にわたる数値流体解析は計算負荷が非常に大きいので,数値流体解析は飛来物近傍の空気力を評価するために十分な広さの範囲に限定する.この限定された解析領域が飛翔する物体とともに移動するものとし,移動する解析メッシュに対する相対的な流れを解析する手法である,ALE法による流れの基礎方程式に対して,有限要素法に基づく構造流体連成解析を適用した.基礎的な検討として静止流体中および一様気流中の球の自由落下問題を解析した.
  • 丸山 敬, 河井 宏允, 奥田 泰雄, 中村 修
    p. 487-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
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    本研究では,竜巻による飛散物のもつ衝撃力を推定するために,竜巻中の飛散物の速度推定を試みる.飛散物としては種々のものが考えられるが,ここでは過去の竜巻の被害調査などを参考に,竜巻時に多く飛散し,建物に被害を及ぼすと予想される物体を取り上げる.計算を行う気流については,3次元の流れ場の時刻歴が必要となることから,非定常乱流場を計算することのできるラージエディシミュレーションを用いて数値的に生成した竜巻状の渦を用いることとした.飛散させる物体は実際の飛散物と等価な空力パラメータをもち,単純な形状をもつ物体としてモデル化されたものとし,それらを種々の条件で放出して飛翔運動を計算し,地面付近における飛散物の対地速度を求めた.
  • 岸田 岳士, 田村 哲郎
    p. 493-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
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    近年,地形の起伏を直接再現した数値流体解析により風速の予測が実施されるようになってきた。これまでの予測は,計算負荷の低いRANSモデルによる予測が多く実施されている。RANSモデルの中で,様々な分野で実績があり工学的に多く使用されている標準型のk-εモデルは,急峻な勾配を有している場合など複雑な地形を対象とした場合には,予測精度が確保されないことが予想される。そこで本研究では,修正型RANSモデルにより,様々な種類の起伏を有する地形上の風の予測を実施し,その適用性について検討を行う。第一に,孤立する3次元丘陵地を対象に予測を実施し,既往の風洞実験結果との比較により有効性を確認する。次に,剥離を伴うような急峻な2次元傾斜地に風が風向角を持って流入するような複雑な流れ場での適用性を検討する。最後に,起伏形態やスケールの異なる2種類の実地形に対する適用性の検討を行う。
  • 伊藤 嘉晃, 田村 哲郎, 近藤 宏二
    p. 499-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
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    本研究では,準周期境界条件を用いた粗面乱流境界層のLESに対して、模擬風を境界層高さ以下の流入境界面全体に与える方法を提案し、低周波数域のパワースペクトルまで再現した流入変動風を作成できた。
     この方法で作成した流入変動風の気流性状とアスペクト比3の正方形建物(風向角0度)に作用させた結果、風方向の転倒モーメントに関しては全周波数領域で再現できることを示した。
  • 見崎 豪之, 大澤 輝夫, 香西 克俊, 馬場 康之, 川口 浩二
    p. 505-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は, 白浜沿岸海域における2地点の現場観測値を用いて, メソ気象モデルWRF及びメソ客観解析値MANALの推定風速場の計算精度について検証を行った. WRF推定風速値は, Biasが0.3m/s(約5%), RMSEが1.9m/s(約35%)であり, WRF推定風速はやや過大評価傾向があることが示された. しかしながら, いずれの統計値を見てもMANALに比べてWRFの方が2地点の風速値と水平風速勾配を精度良く推定することが明らかとなり, 海上風推定におけるWRFシミュレーションの意義を確認することが出来た.
  • 金城 佑紀, 野口 恭平, 秦 聡一朗, 姜 詠, 白土 博通, 八木 知己, 服部 洋
    p. 511-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
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    日本の橋梁はその多くが高度経済成長期に建設されたものであり,老朽化を迎えている.そのため,それらを経済的および効率的に維持管理することが課題となっている.本研究では,鋼橋での損傷形態の一つである腐食の要因である海塩粒子に着目した.橋梁各部位に付着する塩分量の正確な予測が可能になれば,効率的な維持管理を期待することが出来ると考えられる.本研究では,現地観測,数値解析により橋梁各部位に付着する塩分量の予測を行い,その計算値と実橋梁での観測値の比較を行い,手法の妥当性を確認,その課題についても検討を行った.
  • 東 邦昭, 古本 淳一, 橋口 浩之
    p. 517-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    気象予報モデルの水平分解能を50mに高解像度化することで数100m~ 1㎞の水平スケールをもつおろし風の数値シミュレーションを行った。 対象としたおろし風は滋賀県の琵琶湖西岸に存在する比良山地から 吹き降りる比良おろしで、頻繁に鉄道運行に影響を及ぼすほか、 トラックの横転などをひき起こし地元住民の生活に大きな影響を 与えている。一般的なおろし風は山の鞍部風下で強風となることが 知られており常に同じ地域で強風となるが、比良山地には顕著な鞍部が 存在しない上、山麓の約10㎞の区間を時間とともに強風域が移り 変わっていく点が特徴的である。 本研究ではこの比良おろしを高解像度数値シミュレーションにより 再現し時間とともに移り変わっていく様子をシミュレートした。
  • -台風0416・0418号を対象として-
    重田 祥範, 菊川 由香利, 大橋 唯太
    p. 523-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    2004年は観測史上最多となる10個の台風が日本に上陸した.その中でも台風0416号と0418号は瀬戸内海沿岸に甚大な高潮被害をもたらした.そこで,メソ数値気象モデルWRFと海洋数値モデルPOMの結合計算により,同経路を有する台風0416号と0418号を対象に瀬戸内海で発生した高潮の再現計算をおこなった.本研究では,高潮発生の主要因である吹き寄せ効果に主眼を置き,両台風の被害地域の違いを解析した.高松,宇野,松山,神戸の4地点で実測値と計算値を比較した結果,台風0416号において,高松では台風通過後,宇野では接近前に潮位偏差の計算値が実測値よりも過大評価していた.また,類似経路をとった台風でも最接近時の通過場所が海上もしくは陸上の違いで風向が異なるほか,潮位偏差が大きくなる海域についてもその風系の影響を受けて違いが生じることが明らかとなった.
  • 大槻 政哉, イセンコ エフゲーニー, 齋藤 佳彦, 富永 禎秀, 堤 拓哉, 持田 灯, 苫米地 司
    p. 529-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    CFDによる吹雪シミュレーションモデルに基づき,屋根雪危険度判定システムとその継続的な運用の仕組みの構築を目的として,屋根雪の形状を再現するモデルを構築した.なお、乱流モデルとしてDurbin型k-εモデルを採用し,計算結果を屋根雪の実測データと比較することで屋根雪モデルの精度向上を図った.この際,まとまった吹雪期間を対象とした短期積雪現象(概ね5日~10日程度のスパン)と,一冬期間を想定した長期積雪現象(数ヶ月)を対象として検討した.精度検証の際に,摩擦速度の計算方法と吹き払い現象の扱い方につ いて比較を行った.短期積雪の場合は,吹き払いなし,u*を対数則から求める方法が最も再現性が良かったが,長期積雪の場合は,吹き払いあり,u*を乱流エネルギーkから求める方法が良かった.また、短期及び長期積雪現象ともに,吹雪イベントを細かく分割して気象条件を与えることで再現精度が向上し,屋根雪モデルとしての実用化の方向性は示された.
  • LDV計測による乱流統計量との比較検討
    片岡 浩人, 田村 哲郎, 又吉 直樹, 毛利 英明
    p. 535-
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    都市キャノピー内の風速鉛直分布や乱流構造の把握を目的として、風洞実験ならびに数値流体解析(LES)による検討を行った。LESでは流入変動風の生成に合成渦法(SEM)を用い、その際にレイノルズ応力と乱れ長さスケールの非等方性を考慮した。LESで得られた市街地内の平均速度分布は実験結果とよく一致した。ただしLESの乱れは実験結果よりも大きい。これは流入境界での乱れや、実験と解析で建物モデル形状に差がある事が原因と考える。

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