機械学會論文集
Online ISSN : 2185-1123
ISSN-L : 2185-1123
3 巻, 12 号
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  • 西原 利夫, 小島 公平
    1937 年 3 巻 12 号 p. 203-207
    発行日: 1937年
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    鋳造、熔接、燒入れ、その他種々の加工に依て機械部分を製作するに際し、これ等の材料が外力の作用しない状態にあるにも拘らず相當大きな残畄應力を持つてゐることがある。かゝる材料を用ひた機械部分は極く僅かの荷重を掛けることに依て忽ち局所的に大きな應力を呈し遂に破壊する様なことが起る。従て材料或は機械部分の内部應力の分布状態を知ることは非常に大切なことである。従耒の應力測定のやり方を考へてみるに、試驗片に穴をあけるとかその他何等かの加工を施して應力分布の状態に変化を與へ、その変化に依て元々あつた残畄應力を求めるか、又は試驗片に標点を附して應力の掛る前後の標点間の距離を正確に測定するかである。前者の場合に於ては測定に表れるものは彈性的な歪に限られ、後者の方法に於ては求め得られるものは要するに2点間の平均値であつて標点間の距離を狹くするにも限度があるから極く局所的な應力の値は出て耒ない。その他光彈性に依る方法もあるがこれも亦試驗片に依る実驗である。最近X線を用ひて應力を求めることが行はれ始めたので、この方法の長所短所を明かにする目的を以て、筆者等は先づこの方法に依て求めた應力値と理論的に計算した値との間に如何なる関係があるかを求めX線的方法を吟味せんとしたのである。
  • 姜 永昌, 田中 正雄, 山川 出雲
    1937 年 3 巻 12 号 p. 208-213
    発行日: 1937年
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    鉄道車輛が軌条継目通過に際して受ける衝撃変位を新に觧析式を以て想定することにより、継目のみによる車体の上下動及び縦搖を理論的に觧析研究し、その結果を実驗に照して、その妥當性を檢べ、更に走行速度、軌条1本の長さ、台車中心間の距離、ばねの強さ、減衰摩擦係数間の諸関係を見出したものである。
  • 砂谷 智導
    1937 年 3 巻 12 号 p. 213-216
    発行日: 1937年
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    本論文は両端自由支持の眞直柱が略その軸に沿ふ荷重を受ける場合、柱が如何なる方向に曲るべきかに就て理論的考察を行つたものである。そして荷重の偏心量を限りなく小なりとする際即ちEuler式の場合は、従耒の仮定の様に柱は最も曲り易い方向即ち断面慣性モーメントが最小である方向へ曲るべきであることを論じ、偏心量を微小又は有限とする実際的の場合に於ては、柱の曲り量が荷重の偏心量に比べて余り大きくない際は、偏心の大きさ及び方向並に断面の主慣性モーメントの比如何に依て、柱の曲る方向が一様でないこと及び偏心量が曲り量に比べて充分大きい際は、大抵の場合上記の最も曲り易い方向へ曲ることを述べ、尚柱の當初曲りをも考へに入れる場合並に柱の一端又は両端が固定である場合にも同様の考察が得らるべしと述べてゐる。
  • 竹中 二郎
    1937 年 3 巻 12 号 p. 217-219
    発行日: 1937年
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    引張試驗における伸は標点距離に比例し、断面積の平方根(丸棒の場合は直径)に比例すると云ふBarbaの法則が一般に認められてゐるが、標点距離或は斷面積が著しく相違するものに対してこの法則が実驗の結果と適合しないことに気付き、この点を調査し併せて断面縮率と試驗片断面との関係を調査した。伸の測定は従耒の粗雜な方法では満足出耒ないので、著者の考案になる第1図の様な目盛及び測伸機を用ひて十分精密に測定した。この機械では標点距離を分割して目盛を切ることも出耒又切断後の標点距離の分割目盛間の伸びた長さをも測ることが出耒る。Tは試驗片で左右に滑ることの出耒る台の上に取りつけ、S及びDの目盛を見ながらハンドルH1を廻して台を滑らせ適當な位置に耒たときこれを止めハンドルH2を廻して刄物Cにより標点を試驗片に刻む。この方法により任意の長さの間隔に標点を刻むことが出耒る。又5mmの倍数だけ試驗片台を滑らせたとき台の動きが止るやうにも出耒るから5mmの倍数の長さの間隔に標点を刻むときには一々尺度の目盛を見ることをせずにハンドルを廻すだけで標点を刻むことが出耒る。切断した後の伸びた標点距離を測定するには切断面に於て一定圧力になるやうに試驗片の両端をばねの付てゐるねぢで圧し付けて台上に固定し、ハンドルH1で台を滑らせ標点を顕微鏡のクロッスヘーアに合せてS及びDの目盛で長さを0.02mm迄読むことが出耒る。
  • 中原 益治郎, 范 忠相
    1937 年 3 巻 12 号 p. 220-223
    発行日: 1937年
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    軟鋼の圧縮変形に関する研究は工学上重要な問題であるが、余り詳しく調べられてゐない。それでこゝには圧縮変形と引張変形との関係をのべ、尚数個の円〓試驗片を積み重ねて圧縮した時の実驗結果を報告する。
  • 下山 鑛一
    1937 年 3 巻 12 号 p. 223-231
    発行日: 1937年
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    機関の運轉に際して燃燒が非常に惡いときには排気ガス中に炭素が、不燃燒の儘で排出されることが容易に認められる。而し乍ら混合気濃度が適正であり且排気ガスの色、臭等も惡くないと思はれる様な場合でも、機関の圧縮比、容積効率、燃燒室の形、点火又は噴油の時期或は燃料の霧化状況、空気との混合状況等その他種々の原因に應じて多少の不燃燒炭素が排出されて、燃料の損失、機関性能への影響を生ずることを考へねばならぬと思ふ。本実驗に於ては排気ガスの分析を行ひ、それより燃料中より不燃燒の儘排出される炭素量を推算することを目的としたものである。
  • 前川 道治郎
    1937 年 3 巻 12 号 p. 232-237
    発行日: 1937年
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    圧縮行程中における予燃室と主シリンダ内とにおける圧力経過に関し新しく理論を建て、これを実驗的に証明し、従耒この問題に就て成された研究の不充分な点を訂正したものである。
  • 粟野 誠一
    1937 年 3 巻 12 号 p. 237-241
    発行日: 1937年
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    近耒高速ヂーゼル機関の発達と共に、これに使用する燃料方面の研究も進み、その発火性の如何が重要視せられるやうになつた。今日まで一般に高速ヂーゼル機関用の燃料としてはセテン價の高い燃料、云ひ換れば発火の遅れの小さい燃料程ノックの点から見て適當であるせられて耒たが、ヂーゼル機関におけるシリンダ内圧力の上昇する割合及び最高圧力は單に発火時期のみで定まるものではなく、その後の燃燒割合にも関係する。この燃燒割合は燃料の気化性、化学反應速度等の燃料自身の物理的或は化学的性質に依るものであると同時に、噴射時期、噴射割合、噴霧の状態、或は噴孔燃燒室の構造型式等の機械的条件に依ても左右せられる。これらの点に関しては実驗的には二三試みられたものがあるが、発火時期、燃燒割合等が熱力学的方面より見て機関のサイクル上にどんな影響を與へるかに就ては未だ余り明瞭にされてゐない様である。且実驗の場合には種々の影響が同時に相関聯して現はれ一つの因子を変へると他の方も自然に変つて了ふので、一つ一つの因子がサイクル上に如何なる影響を及ぼすかを見出すのは相當困難である。この様な見地から熱力学的計算に依て燃燒割合、発火時期、燃燒期間等がサイクルに及ぼす一般的傾向に就て調べて見た。
  • 前川 道治郎
    1937 年 3 巻 12 号 p. 242-246
    発行日: 1937年
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    槽壁に取付けられたオリフィスの流量係数値には従耒諸家の間に約3%の不同がある故、精密な測定を行はんとする場合その何れを採用すべきかの判断に苦しむ。かゝる不同の原因は筆者の考へに依れば、流入稜角の鋭さの程度に相違があつたがためと察せられる故、こゝに更めて流入稜角はこれを周到な照明の下で毫も光線を反射しない程度に鋭く仕上ぐべきものと規定し、斯様に完全に鋭いオリフィスを槽壁に取付けた場合の流量係数を精密に測定して、上の問題に対して一つの拠り処を提供した。
  • 小谷 寛之亮
    1937 年 3 巻 12 号 p. 247-256
    発行日: 1937年
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    不連続流物体の空気抵抗とレイノルヅ数との関係に就て理論的考察を行ひ、併せて三角形、四角形、六角形、八角形、十角形、十二角形断面の柱体、並に構造部材である型鋼断面の柱体等の不連続流物体に対し種々なるレイノルヅ数に就て風洞実驗を試みこの関係を明かにしたものである。尚この種風洞実驗に際する二次元流の取扱上の問題として平行流中に物体の存在する場合の流れに対する乱れの最大限度に就て実驗結果から言及したものである。
  • 小谷 寛之亮
    1937 年 3 巻 12 号 p. 257-264
    発行日: 1937年
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    著者は第1報に於て、不連続流物体の空気抵抗係数とレイノルヅ数の関係を調べ尚平行流中にかゝる物体の存在のための流れに対する影響の最大限に就ても明かにした。かゝる考慮は不連続流物体のみならず一般に物体の風洞実驗に際し又二次元流の測定装置に関して重要なことで著者は第2報に於てかゝる見地からレイノルヅ数の余り影響を與へない範囲に於て、又二次元流測定装置に対しても流れの影響を考慮に入れた装置に於て、單一不連続流物体の実驗を行ひ、空気抵抗係数を測定し併せて在耒発表されてゐる二三のものと比較檢討を試みた。
  • 和栗 明
    1937 年 3 巻 12 号 p. 264-267
    発行日: 1937年
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    直定規は極く正しいことが必要であつて、自重による撓も忽に出耒ない。勿論なるべく撓まさぬ様にして用ひるべきであるが、定規自身としては撓の少いものでなくてはならぬ。そのために背中には丈の高い力骨を張り、軽くするために肉は極く薄くしてゐる。処が困つたことにはそのために定規は熱に対して非常に敏感になつて耒るのである。手で持つだけでも或は室温の変化だけに依ても色々に変形し、仕上精度に影響を及ぼす。かゝる定規では定規自身も或る程度以上の精度には仕上げ難い。故に筆者は先づ肉を厚くした箱型据置用の定規を作つた。鋭敏な水準器で精度を檢査しながら最後の仕上を行ひ、1400mmのもので0.5μ以下の狂ひに仕上げることが出耒た。これを基準定規として持運び用のものを作つたのであるが、熱に対する感度を鈍くするために背中全体を石綿で保温して見た。余程良くなつた様である。本文は以上の実驗経過を報告したものである。
  • 奥島 啓弍
    1937 年 3 巻 12 号 p. 268-272
    発行日: 1937年
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    各種螺旋面例へば、ねぢ、捩錐の溝等をフライス仕上なす場合、最も重要なことは刄形の決定である。旋盤で仕上る場合の様に簡單に求められないのは勿論で、そのために種々の方法が考案されたが、工具の大きさ、工具軸の傾け角等の影響を一目に知るには是非觧析的な觧法を要する。筆者はここに一つの図示的觧法を基礎にして、新しい觧析的觧法を求めた。先づ一般の場合に就て述べ、次いで二三の特殊な例に及ぼす。
  • 田中 重芳
    1937 年 3 巻 12 号 p. 273-281
    発行日: 1937年
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    ジョルト型込機の動作を明かにするため、シリンダの直径76mm, テーブルの廣さ508×406mm, 空気圧力5.62kg/cm2の型込機を試作し、スクヰーズ型込機に就て行つた実驗と同様の条件の下に空気圧力を変へ、テーブル上の荷重を変へて毎分のジョルトの回数及びジョルトの高さを記録した。ジョルトの回数は空気圧力が増せば減じ、テーブル上の荷重が増せば減ずることを知つた。ジョルトの高さは第1撃は高く、第2撃以下は急に低くなり、第3撃以後は一定の高さとなる。第1撃も第3撃以後も空気圧力が増せば高くなり、テーブル上の荷重が増せば低くなる。上下動は單なる自然投上げ、自然落下ではない。シリンダ内の空気のインヂケータ線図をとつて見た。第1撃は第2∿3撃よりも仕事量が大きく、空気圧力が増せば仕事量は大きく、テーブル上の荷重が増しても大きくなる。砂の締まる速さ即ち砂の面の落込む深さとジョルトの回数との関係をグラフに表せば双曲線に似た曲線を得、その曲線は空気圧力、砂の面に置いた蓋板の重さの影響を受ける。木型のない場合と簡單な木型ある場合につき型の硬さの分布を調べるとスクヰーズよりもなほ均等となり殊にシリンダの様な上端面の平坦な木型ではスクヰーズよりも遙かに均等になる。最後にジョルト・スクヰーズの硬さの分布を調べた。木型の形に依てジョルトとスクヰーズとの夫々の特長も欠点も現はれることを知つた。
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