国立アイヌ民族博物館研究紀要
Online ISSN : 2758-5611
Print ISSN : 2758-2760
最新号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 2022 年 2022 巻 1 号 p. 6-8
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/04/06
    ジャーナル フリー
  • 2022 年 2022 巻 1 号 p. 3-4
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/04/06
    ジャーナル フリー
  • 2022 年 2022 巻 1 号 p. 5-
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/04/06
    ジャーナル フリー
  • 佐々木 史郎
    2022 年 2022 巻 1 号 p. 9-39
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2023/04/06
    ジャーナル フリー
    2020年7月に開館した国立アイヌ民族博物館は、「アイヌ文化の復興等に関するナショナルセンター」(アイヌ政策推進会議 2016: 3)として整備された「民族共生象徴空間」の中核施設の1 つとして設置された博物館である。それは「この博物館は、先住民族であるアイヌの尊厳を尊重し、国内外にアイヌの歴史・文化等に関する正しい認識と理解を促進するとともに、新たなアイヌ文化の創造及び発展に寄与する」(博物館調査検討委員会 2013:1)という理念を掲げ、アイヌ文化に関する展示、教育・普及、調査・研究、人材育成、資料の収集・保存・管理、博物館ネットワークの構築といった業務を行う。本稿ではこのような「国立博物館」が設立された経緯とこれから果たすべき役割について、政府がアイヌ政策推進と民族共生象徴空間整備のために設置した有識者懇談会、委員会、作業部会等の報告書類を主要な資料として、それを文化人類学などによる先住民族研究の成果を利用して分析しつつ論じた。その結果、この国立博物館設立までの間に研究者、博物館、懇談会等の委員等の間でアイヌ文化に対する認識の転換が起きており、それが国立博物館設立の原動力となっていたこと、またこの博物館の理念や運営方針が国際的な博物館の再定義の動きに対応しており、その促進を期待されていることが明らかになった。
  • 永野 正宏
    2022 年 2022 巻 1 号 p. 40-55
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2023/04/06
    ジャーナル フリー
    江戸幕府の出先機関である箱館奉行は、1857(安政4)年から1859(安政6)年にかけて、北海道(ただし、本稿において当時の松前藩領を除く)および樺太でアイヌに対して種痘(伝染性疾患の一種である天然痘の予防接種)を行った。本稿では、この時の種痘における痘苗(種痘の接種材料、弱毒化したウィルス液)に着目し、調達した痘苗の種類、調達方法、調達経費の大きく3 点について考察を加えた。まず、種類は、痘痂(天然痘感染による瘡蓋)と痘漿(天然痘の水泡から出る膿汁)が痘苗として調達されたといえる。調達方法は、痘痂は瓶に入れられて江戸から箱館まで届けられた。痘漿は、桑田立斎については、江戸から箱館まで植え継ぎ、また、箱館から蝦夷地においても植え継いで実施した。巡回種痘を休んでいる間の痘漿の維持は、箱館市中において定期的に種痘を繰り返して植え継ぎ、維持し続けていたものと考えられる。痘漿提供者の確保は、種痘事業の実施前後を問わず幕府、ひいては箱館奉行が行なっていた。調達経費だが、支出対象は痘漿提供児者、その保護者および付添者と考えられる。支出負担者は、種痘開始前、桑田立斎は自身が負担した。種痘開始後は、史料が残っているモンベツ(現 紋別市ほか)近辺では種痘実施地の箱館奉行所の御用所が痘漿提供者の手当を負担していたといえる。
  • 押野 朱美, 秋山 里架
    2022 年 2022 巻 1 号 p. 56-68
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2023/07/22
    ジャーナル フリー
    吉村冬子フチは、鵡川地方のアイヌ文化伝承者である。幼少期はチセの中で過ごし、父親母親が交わすアイヌ語を聞きながら育った。後世は、言葉や芸能、生活習慣などを伝承する普及活動に務め、冬子フチの姉にあたる新井田セイノフチと共に各地でカムイユカㇻなどの口演に出向く機会も多くあった。本研究ノートでは、冬子フチの伝承を家庭内で受け継いでいる孫の押野・秋山(執筆者)が、冬子フチが発信してきたアイヌ文化について冬子フチに関連する資料と照らし合わせながら報告する。加えて、両執筆者が勤務する民族共生象徴空間「ウポポイ」、文化振興部と国立アイヌ民族博物館での教育普及活動、鵡川地方のアイヌ文化を紹介する各自のプログラムでの取り組みを分析することで、「鵡川地方のアイヌ文化伝承者、吉村冬子フチの教え」に迫り、冬子フチに関する資料と位置付ける。
  • -白老における津波に関する口承を例に-
    シン ウォンジ, 八幡 巴絵, 奥山 英登
    2022 年 2022 巻 1 号 p. 66-79
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル フリー
    国立アイヌ民族博物館では、教育普及活動としてトークイベント「伝承から自然災害を記憶する ― 津波」を企画・実施した。災害に関する地域固有の伝承を活用した災害教育は各地で行われているが、本学習プログラムは先住民族であるアイヌ民族の伝承を対象にした。本稿は、学習プログラムの概要やその内容、参加者による評価をまとめたものであり、参加者による評価に基づいて科学と先住民族の伝承を合わせた災害教育の効果について考察する。
  • 着物のぬりえワークシート
    笹木 一義
    2022 年 2022 巻 1 号 p. 80-101
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2023/06/02
    ジャーナル オープンアクセス
    国立アイヌ民族博物館の開館前後にかけて、基本展示「探究展示 テンパテンパ」の開発と並行して、館内外で使用する教育普及のためのツールの開発を行った。ここでは、着物のぬりえワークシートを実例として、アイヌ民族の歴史と文化に対する教育普及のツールとしての留意点、ワークシートのねらいと体験内容の検討過程、開発時の課題、開館前後に館内外で行った試行と評価のプロセスについて述べる。
  • 関口 由彦
    2022 年 2022 巻 1 号 p. 102-113
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2023/07/30
    ジャーナル フリー
    博物館でアイヌ民族の「現代(現在)」を展示(表象)することの意義や課題について考察する。従来の「未開」/「文明」という二分法に基づく展示を乗り越えようとすることが「伝統」/「現代」といった二分法の固定化に横滑りしかねないという課題について、首都圏への移動という暮らしの変化を経た、先住民族アイヌの文化伝承活動の〈現在〉の事例を踏まえて考察する。
  • -知里真志保と本田安次の原稿から-
    谷地田 未緒
    2022 年 2022 巻 1 号 p. 114-131
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル フリー
    1984 年に国の重要無形民俗文化財に指定された「アイヌ古式舞踊」について、文化政策の視点からその経緯を検証する。それまで多くの先行研究が「音楽」や「文学(口承伝承)」の分野でされてきたにもかかわらず、「古式」「舞踊」という文化財名称となった背景について、文化財行政に影響のあった二人の著者、知里真志保と本田安次の原稿をもとに検討した。本田のテキストが知里らの先行研究を単純化している点と、「舞踊/踊り」という概念に注目している点を指摘し、結論として文化財指定に当時の民俗芸能研究が内包していたイデオロギーが強く影響している点を指摘した。
  • ―アイヌの繊維資料を前提とした分析方法の検証―
    赤田 昌倫
    2022 年 2022 巻 1 号 p. 132-149
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル フリー
    国立アイヌ民族博物館ではアイヌの繊維資料に用いられた染料の調査を検討しており、ハイパースペクトルカメラを導入した。染料分析に適した分析条件を策定するため、試料と装置の距離と分析範囲に着目し、機器の精度に関する検証を行った。その結果、複数の条件で染料分析に有効な結果が得られた。また、この結果を基にアイヌ文化に特徴的な染色試料について分析を行った結果、イチイ染めの試料については特徴的なスペクトルを得ることができた。
  • ウィンチェスター マーク, 田村 将人
    2022 年 2022 巻 1 号 p. 175-185
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2023/06/02
    ジャーナル フリー
  • -「ケレ ヤン、ヌカㇻ ヤン、ヌ ヤン さわる、みる、きく、国立アイヌ民族博物館」を通じた実証的検討-
    立石 信一, 今野 彩
    2022 年 2022 巻 1 号 p. 221-232
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル フリー
  • 小林 美紀
    2022 年 2022 巻 1 号 p. 233-235
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2023/07/22
    ジャーナル フリー
  • 2022 年 2022 巻 1 号 p. 238-239
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/04/06
    ジャーナル フリー
  • 2022 年 2022 巻 1 号 p. 240
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/04/06
    ジャーナル フリー
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