農産加工技術研究會誌
Print ISSN : 0369-5174
3 巻, 1 号
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  • (第2報) 肥料濃度がトマトピュレーの有機成分組成に及ぼす影響
    山田 耕二
    1956 年 3 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 1956/02/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    トマトピュレーの品質が施肥量の多少でどう異るかを見るために,礫耕培養を行つた。その成績を味,状態,色調の3点から標準量施肥区を中心にして要約してみると,
    1) トマトピュレーの味の良否には主として糖,酸,非蛋白態窒素の量即ち又それらを以て構成する可溶性固形物量の多少があずかつているものと考えられる。標準の1/6量を施肥した区(1/6区)に於てはこれらの値が減少するから,問題なく味は落ちるものと言える。又標準の2倍量を施肥した区(2倍区)から作つたピュレーは可溶性固形物量の増加が認められず,只その味の性質がかなり異つてくる様である。即ち可溶性固形物中の各成分の構成割合に於て糖が増して酸が減るから味がいわば甘い方に傾く事が考えられる点及び非蛋白態がやや増加して而もその非蛋白態の構成に於て,非アミノ態:アミノ態が標準区では4:6であつたのが,2倍区では1:9になつている2つの点である。
    2) トマトピュレーの状態に最も影響するのは全固形物量,不溶性固形物と可溶性固形物との割合,ペクチン量,粗繊維量等であると思われる。1/6区に於ては不溶性固形物,粗繊維の量が多くなるので状態が固くなる事が考えられ,これが粘性と遠心沈澱量の値に出ている。ところが2倍区の場合には,全固形物,可溶性固形物,粗繊維に大差無く,不溶性固形物が減少し,又ペクチン量の概量を見ても状態はゆるくなる様に思えるのであるが,粘性及び遠心沈澱量という2つの尺度では反つて状態がかたいという結果が得られた。
    3)色調については全体の色が標準区に於て最も濃厚で他の区の場合はやや白つぽくなると言える。然し色調の性質即ち色合はいづれも橙赤色ではあるが2倍区が最も赤味多く,標準区これに次ぎ,1/6区は最も赤味が劣るという結果になつた。
    4) 可溶物を構成するものを知るために,ペーパークロマトを行つた結果は,有機酸としてはcitric, oxalic, pyrrolidone carboxylic acidが全区に,malicが標準区以外の各区に,succinicが無肥料土壤区に,tertaricが1/6区と無肥料土壤区に,未知の1種が2倍区と標準区に検出された。糖類としてはglucose, fructose,未知のもの1種が全区共通に見出された。アミノ酸としては2倍区13種,標準区12種,他の2区それぞれ11種が検出され,その中で全区共存在したのは8種即ちasparatic acid, glutamic acid, valine, serine, asparagine, alanine, cystine,未知のもの1種であつた。
  • 中村 延生蔵, 新井 丑松, 清水 昭義
    1956 年 3 巻 1 号 p. 4-7
    発行日: 1956/02/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • (第1報) 生わさびの根茎,根毛,並びに葉柄の一般成分について
    田中 祐彦
    1956 年 3 巻 1 号 p. 7-8
    発行日: 1956/02/20
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    従来のわさび漬の改良,更にわさびの加工に資するため,生わさびの根茎,根毛,葉柄部に区分し,原料の一般分析を行つた。その結果次の傾向にあつた。
    (1) 水分 根茎<根毛<葉柄
    (2) アリル芥子油 根茎≒根毛≒葉柄
    (3) 粗蛋白 根毛<根茎<葉柄
    (4) 炭水化物 根毛<葉柄<根茎
    (5) 糖 根茎<根毛<葉柄
    (6) 粗繊維 根茎<葉柄<根毛
    (7) 粗灰分 根茎<根毛<葉柄
    従つて本県のわさび漬(酒粕漬)は,主として根茎を使用し,他は廃棄しているが,根毛,葉柄も大いに利用し得ることがわかつた。只加工処理の方法に今後の研究があるわけである。
    本研究に当り,山口県玖珂郡錦町望月英司氏の御協力に対し,更に玖北地区農業改良普及事務所,北村等氏の御援助に対し,謝意を表する次第である。
  • (第2報) わさび漬貯蔵中の成分変化について
    田中 祐彦
    1956 年 3 巻 1 号 p. 8-10
    発行日: 1956/02/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    わさび漬の貯蔵中,アリル芥子油の辛味成分は比較的,短期間に消失し,食味の低下を招くが,この低下防止の方途を見出さんが為,貯蔵中の各成分の変化を調査した。
    (1) アリル芥子油は経日的に消失すると思はれたが,波状を呈する様である。
    (2) 酢酸は殆んど変化はみられなかつた。
    (3) アミノ態窒素は経日的に増加している。
    (4) エチルアルコールは次第に減少している。
    (5) pHは余り変化はみられなかつた。
    以上を綜合するに酢酸,アミノ態窒素,アルコール等については,酒粕の貯蔵中の成分変化を検討した上でなければ考察はむづかしい。
    次に,アリル芥子油は36日目に復元していること,官能上辛味が消失していること,エチルアルコールがこれに伴つて減少していること,更にわさび漬全体が黒褐色を帯びて来ること等の事実から,38日目にアルコールを添加した処,粕全体の色も復元し,香気も,調製当時と同様になるよう感じられた。更に添加後アリル芥子油も増加するをみた。このことはアルコールの存在に於いて,アリル芥子油がアルコールに随意の割合に混合する性質によりエステル化し,辛味が出るのではないかと考察される。従つて,わさび漬の老化には,アルコールを添加して行くことにより,或る程度防止出来るのではないかと考察される。
    終りに臨み,玖北地区農業改良普及事務所北村技師並びに,試料を提供下さつた望月氏に深謝致します。
  • 片山 脩, 野本 栄司, 塩入 英次
    1956 年 3 巻 1 号 p. 10-13
    発行日: 1956/02/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    蔬菜9種類中の遊離アミノ酸を微生物定量法を応用して検索した。各蔬菜中のアミノ酸は種類も,量的にも豊富であり,17種の遊離アミノ酸の存在を確認した。
  • 関根 秀三郎, 鈴木 隆雄, 山田 英雄
    1956 年 3 巻 1 号 p. 13-16
    発行日: 1956/02/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    近時強化食品の普及に伴い味噌に対するA強化の研究も2,3報告されている。即ち,茶珍,石井1)等はカロチン生産菌を用い,中野2),高田3)は肝油を味噌に添加したA強化味噌を調製し貯藏試験を行い,中野は全くAが破壊されると,又高田は5ケ月の貯蔵で最高22%の損失があると報告されている。
    著者等はさきに当研究室で葛西4)により研究された著者等の特許5)魚類肝臓エキスを使用した力価不変の粉末肝油(以下粉末肝油と称す)を添加したA強化味噌の製造試験を行い,又強化味噌中のAが味噌汁とした時,煮沸により破壊されるや否やを試験した。
  • (第3報)加温処理による白濁の防止試験について
    藤巻 正生, 渋谷 礼子, 水島 幸一郎, 内藤 正一
    1956 年 3 巻 1 号 p. 16-18
    発行日: 1956/02/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 原料みかんに加温処理して罐詰を製造すると,加温の程度により液汁の白濁度が減少したが若干の苦味を生じた。
    (2) 外果皮を除去して加温処理(例えば40℃に1夜放置)すると,白濁度,ヘスペリヂンの少い,しかも香味,色沢良好な罐詰を製造することができた。
  • 中村 延生蔵, 新井 丑松, 清水 昭義
    1956 年 3 巻 1 号 p. 19-20
    発行日: 1956/02/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    農山村における菜種の搾油は最近は殆んどが小型,中型エキスペラーで行われるに到つている。小型,中型エキスペラーでの菜種の搾油は一般には2回絞りされているが,最盛期には搾油能率を増すために,1回絞りが行われている。搾油率は機械によつても異るが,菜種の水分によつても相当影響される。殊に1回搾油で搾油率をよくするには,原料を焙焼機,スチームケットル,焙釜等にかけて,水分を2~3%に低下させている。このように高温で前処理すれば搾油能率は向上するが,搾取された原油は殆んど泡状を呈し,中に泡立物質が多量に混入していて,簡単に濾過して清澄な油としても泡立が多く,そのまゝでは,一般には天麩羅油としては使用に耐えない。この泡立ちを防止する手段として,いろいろの商品名で各種の泡立防止剤が販売されているが,取扱操作に不便があるばかりでなく,値段の高い割合に効能がそれ程でないものが多い。通常一般に行われている大工場での精製法を実施すれば,泡立を防止することが出来るが,精製施設の完備していない小規模な工場においては,大工場での精製法の実施は困難である。以上のような見地に立つて小規模工場でも出来る簡易な泡立防止精製法について試験してみたので,その結果について報告し参考に供する。
    尚粗製原油等の泡立物質の本体については未だ明らかでないが蛋白質,ステロール,樹脂類,その他の物質の混在によるものと推定されている。泡立物質は油脂,エーテルに溶解し,180~200℃に加熱すればコロイド状の沈澱となり,又水の存在の下で適当な温度にまで加熱すれば凝固して分離して来る。又この沈澱物を採取してリーベルマン呈色反応を試みれば陽性であることは既に一般に明らかにされている所である。精製油についてはこの反応は微弱となる。又原油の一部を試験管に採取して,200~250℃に加熱すれば黒色の沈澱を生成する(ブレーク試験)。このブレーク試験は夾雑物があり,泡立つ油については必ず陽性となる。従つて製品の泡立検出にはこの方法が一般に利用されている。最も便利な簡易な方法であると思われる。泡立物質の本体については今後更に研究する予定である。
  • 北尾 次郎, 松田 好祐, 藤牧 進, 町田 マキ
    1956 年 3 巻 1 号 p. 20-22
    発行日: 1956/02/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 一良
    1956 年 3 巻 1 号 p. 22-24
    発行日: 1956/02/20
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    苛性ソーダ又は苛性カリを使用して黒褐色国産オレンジ油の脱色精製の程度を観察した。その結果次の添加量に於て脱色の効果が認められた。
    即ち苛性アルカリ濃度が高ければ高いほどオイルに添加する量が少くて良く,濃度が低下するに従い添加量を多く使用しなければならない。然し油と残渣との分離状態から観察すると30%以上の苛性カリを油に少量添加攪拌した方が良く,又苛性ソーダよりも苛性カリの方が分離容易である様に感じられ,その後の操作が便利である。
    尚油の状態によつては脱色されても残渣ごと数日間放置すると元の色調にだんだん戻つて来る事を経験したがこれは多分鹸化が不充分な時に起るのであるから,残渣は早く取り除いた方が良い。然し残渣が速かに良く分離した場合はその様な事がない。又脱色油は幾分アルカリ臭を有するが,これは水洗する事により除く事が出来る。又精油中には変化し易い芳香物質が存在しているが,これらの物質がこの様な脱色法によりどの程度変化するかは今後の問題である。
  • 木村 進
    1956 年 3 巻 1 号 p. 24
    発行日: 1956/02/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 幸
    1956 年 3 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 1956/02/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1956 年 3 巻 1 号 p. 30-36
    発行日: 1956/02/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 赤司 嘉司和, 古田 守夫
    1956 年 3 巻 1 号 p. 37-45
    発行日: 1956/02/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1956 年 3 巻 1 号 p. 45
    発行日: 1956/02/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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