お茶の水女子大学附属中学校研究紀要
Online ISSN : 2758-6742
Print ISSN : 2758-5360
51 巻
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  • ~自ら考え主体的に社会参画していく生徒の育成を目指して~
    2022 年 51 巻 p. 1-27
    発行日: 2022/12/31
    公開日: 2023/12/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿は、令和3年度お茶の水女子大学附属中学校教育研究協議会においてまとめられた研究内容を記述したものである。 年間のお茶の水女子大学附属中学校における教育研究と取り組みを総合的に概観したもので、研究の第3年目に「振り返りを重視した探究的な学習のカリキュラム・デザイン」というテーマで行われた活動について述べた。 学校の教育理念は、自主的かつ協働的な学習アプローチを通じて、生涯学習能力、批判的思考力、問題解決能力を育むことに焦点を当てているる。 主な研究内容は以下の通りである。 1. **カリキュラム設計と実施**:学校は生徒が探究的学習と批判的思考を行うことを奨励するカリキュラムの開発と実施に焦点を当てている。これには論理的かつ創造的思考力、協働的問題解決スキルを育成するためのコミュニケーションデザイン科(CD科)の導入が含まれる。 2. **振り返りとメタ認知**:カリキュラム設計の重要な部分には振り返り(過去を振り返り前に進む計画)とメタ認知(自分自身の思考について考える)が含まれ、これらを用いて生徒が学習により深く関与し自律的な学習者になることを支援する。 3. **研究開発**:学校は教育プログラムを強化するために積極的に研究開発活動に参加している。これには教育における情報通信技術(ICT)の応用や新しい教育指針に沿った効果的な教育戦略の探求が含まれる。 4. **課題と適応**:文書ではCOVID-19パンデミック中に直面した課題と、質の高い教育を継続的に提供するために教育方法をどのように適応させたかについても詳細が述べられている。 5. **今後の方向性**:学校は批判的かつ創造的に考え、協力的に働き、社会に積極的に貢献できる生徒を育成するために教育実践の継続的な改善に取り組むことを表明している。
  • 〜各教科における見方・考え方を生かした創造的思考力を伸ば す授業のデザイン〜
    2022 年 51 巻 p. 38-
    発行日: 2022/12/31
    公開日: 2023/12/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿は、2022年に行われたお茶の水女子大学附属中学校の教育研究協議会に置いて取り組まれた校内研究の記録である。 試行錯誤と創意工夫を重んじる各教科を横断する「つくる学び」の教育アプローチを作成することに焦点を当てている。この研究は、創造的思考を育成する過去の活動や方法論を振り返り、これらの学びを統合した将来のカリキュラムを提案する。 論文は、現代の教育が直面する様々な課題を概説し、ますます不確かで複雑な世界において柔軟で創造的な問題解決スキルの必要性を強調している。日本国内外の創造的思考を育成するための先行研究と実践を振り返り、「深い知識」と教科固有のコンピテンシーが創造性を培う上での重要性を引用している。 学校のアプローチは、各教科固有の視点と考え方を活用しながら、創造的思考を各教科に組み込むことである。研究は3年間にわたって計画され、教科間で創造的思考を育成し、最終的には学校の広範なカリキュラム全体にこれらを統合することを目指している。 要約すると、この記録は、多様な学習方法と教科固有の洞察を統合し、適用することで生徒の創造的思考を強化するための総合的な計画を明確に述べている。探求、実験、全ての学習領域にわたる革新的なアイデアの開発を奨励する学習環境の構築を提唱する。
  • ~読み比べから『形』の魅力を見つける~
    戸谷 順子
    2022 年 51 巻 p. 168-175
    発行日: 2022/12/31
    公開日: 2023/12/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    菊池寛の短編小説『形』を読むにあたり、その元となった作品(原典)と読み比べることで、『形』という作品の魅力に迫っていくことをねらいとした授業実践である。この作品は中学2年生にとって時代設定や表現など難しいところもあるため、個人で読みを深めつつ、話し合い活動を通して仲間同士(学習班)で探究的な読みを深める活動も取り入れた。また、班の仲間とで深めた読みを、作成したスライドを用いて発表することで発表者として、また作品の読み手として、主体的に学ぶ場を設けた。単元の最後には改めて『形』という作品の魅力について生徒一人ひとりが思考を深める課題を設定した。
  • ~中核とする考察の仕方の関連性や特性を踏まえて~
    渡邊 智紀
    2022 年 51 巻 p. 176-
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/14
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    平成 29 年告示の学習指導要領で新たに設けられた「地域の在り方」での構想をより深い学びにしていくためには,その前段にある「日本の諸地域」での地誌学習の過程において,地域の課題を見いだす力を養い,「地域の在り方」で調査対象とする地域と同じような状況下で地域の活性化を図っている事例となり得る地域についての知識を得ることが必要である。そのため,「地域の在り方」の単元で生徒に考察・構想してほしいことをコンセプトとし,そこから逆向きに考えて,「日本の諸地域」の各地方(単元)を貫く問いをたてながら単元設計する方法をとった。その際,中核となる考察の仕方と,関連づける事象相互の関連を意識し,どの地域にどの中核となる考察の仕方をあてはめていくことが,地域的特色や地域の課題を魅力的に引き出すことができ,最もコンセプトの達成に有効となるか,また,生徒の習熟の深まりにつながるかを検討した。また,中核となる考察の仕方を取り上げる順番についても併せて検討し,「日本の諸地域」の前半では自然環境など「どのように」の問いを中心にし,徐々に追及の過程で,他の事象との多面的な関連に気付くことができるように「なぜ」の問いを多めにすることで,生徒の理解のしやすさや地域を重層的に分析し思考する力を高めることに配慮した。そして,「日本の諸地域」と「地域の在り方」の両単元を一体的に扱っていくために,「どのように」「なぜ」の問い以外に,「どうあればよいか」という問いを利用し,より良い地域について考えさせ,2つの単元を一体的に扱っていくための工夫を試みた。
  • 中山 由美
    2022 年 51 巻 p. 186-204
    発行日: 2022/12/31
    公開日: 2023/12/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究の目的は、「主体的・対話的な深い学び」を構築するために、創作活動においてウクレレを表現ツールとして活用する有効性を実践検証することである。第1学年で、コードネームとウクレレのコード演奏の仕方(主要三和音の C、F、G7)の知識を得て、この3コードを使ったメロディのコード進行の演奏を中心に Dm、D、Am のコード弾きを習得した上で、本研究内容である第2学年での創作活動を実施した。創作活動は、つくるプロセスを筆者が実演提示した後、「主体的」な学びの場面として、自分のコード進行をつくる活動を設定した。次に「対話的」な学びの場面として、少人数グループ活動で各自がつくったコード進行を持ち寄り、つなげたり、重ねたりし、コードに合うメロディも考え、曲の組み立てを話し合いながら合奏をつくる活動を設定した。検証結果は、創作作品の採譜による分析、授業観察と生徒が記述した授業の振り返りから検討した。その結果から、1ウクレレはギターに比べ安価で、大きさやナイロン弦である点、コードが押さえやすい点から音楽授業で扱いやすく、演奏と話し合いが同時にできる利点があること、2ウクレレは、実感を伴う理解が難しかった和音(コード)に実技を伴って親しむことができることからコード進行を使った創作が可能であること、3ウクレレを活用した創作活動は、個別活動後にグループ活動での取り組みによってより創意工夫のある活動となること、が明らかとなった。以上から、ウクレレを活用した創作活動は、「主体的・対話的な深い学び」を構築できる可能性が高いことがわかった。なお、本研究は、令和3(2021)年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(奨励研究)課題番号 21H03933 を受けた。
  • ~生徒が「自分ごと」として捉える美術科の授業~
    桐山 瞭子
    2022 年 51 巻 p. 205-222
    発行日: 2022/12/31
    公開日: 2023/12/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿は、どのような中学校美術科の学習が、生徒たちの日常に息づくものとしてアプローチしていけるかを考え、実践した表現及び鑑賞活動の授業の記録を主としている。 美術科の学習は、特に表現の活動において、これまでになかったものを学習者である生徒たちが新たに生み出していくべく探究するものとして一見してみなされがちである。しかし、生徒たちは美術の授業に向き合って初めて、新たなものを生み出すというゼロベースでの発進ばかりではなく、個々の生活背景によって形成された感性が軸となった造形的な見方・考え方に影響されながら、それぞれの探究的・発展的な学習活動につながるという特徴がある。本稿筆者(以下、筆者)は、この特徴から、美術科の学習が生徒たちの日常に寄り添い、息づくものとしての題材を考案したいとした。 中学校美術科の授業において、生徒たちが自分自身の日常を反映させながら造形的な見方・考え方を持って題材に関わり、活動していくことで自分なりの価値感覚を見出し、題材を通してより良いとするもののために挑戦することの楽しさや喜びを、実感を伴って感じることになるよう授業実践し、その題材の実際について記述した。
  • ~プロジェクト型学習で展開する柔道単元~
    佐藤 吉高
    2022 年 51 巻 p. 223-238
    発行日: 2022/12/31
    公開日: 2023/05/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究では、中学校保健体育の武道領域において、「受身の形」の創作を核とした演武プレゼンテーションを創り、柔道の魅力について表現するプロジェクト型の柔道単元授業を開発・実践し効果の検証を行った。学習観・学習方略尺度、形成的授業評価の分析結果からは、プロジェクト型柔道単元を通して生徒が技能や体力の向上を至上目的とするのではなく、運動を通して魅力や知識を協働的に育んでいくことを重視する体育の捉え方を形成した可能性が示唆されたこと、オープンエンドな学びに対して生徒が成果を実感しながら主体的に取り組んだことが明らかとなった。自由記述の分析結果からは、演武や形を行う柔道授業を通して、日本の武道の形や柔道の魅力について考えたことが生徒の学びの実感として捉えられたことが示唆された。
  • 2022 年 51 巻 p. 239-
    発行日: 2022/12/31
    公開日: 2023/12/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
  • 2022 年 51 巻 p. 262-
    発行日: 2022/12/31
    公開日: 2023/12/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
  • 2022 年 51 巻 p. 272-
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/12/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
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