甲殻類の研究
Online ISSN : 2433-0108
ISSN-L : 0287-3478
19 巻
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
  • 原稿種別: 表紙
    1990 年19 巻 p. Cover1-
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1990 年19 巻 p. Cover2-
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1990 年19 巻 p. App1-
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
  • 大久保 一郎
    原稿種別: Article
    1990 年19 巻 p. 1-12
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
    日本の淡水産介形虫類の新種7種を報告する。大阪青山短期大学の水野寿彦教授が淡水産動物プランクトンの検索図鑑の刊行を計画され,そのうち介形虫類を分担し,発見したものである。最近採集したものや20年前に作られた標本から,約30種の日本未記録の種を得たが,そのうち,カソドナ科キクロキプリス亜科のCypria(オヨギカイミジンコ属)・Physocypria(イボオヨギカイミジンコ属)各1種と,キプリス科コブカイミジンコ亜科のCyprinotus(コブカイミジンコ属)1種と,Hemicypris(ヒダリイボカイミジンコ属)4種の計7新種を記載する。Cypria biwaense(ビワオヨギカイミジンコ)およびPhysocypria nipponica(イボオヨギカイミジンコ)はともに,小型(0.5mm前後),第2触角に長い遊泳剛毛があり,第2胸脚の末節は正常型。前者は琵琶湖沿岸から,後者は各地の水田等から採集された。Cyprinotus setoensis(セトコブカイミジンコ)は,OKUBO(1974)がC.kimberleyensisの1変種として報告したものであるが,後背縁のこぶ状隆起が小さく,殻表の模様が明らかに異なるので,ここに新種として報告する。Hemicypris属は,コブカイミジンコ亜科のうち左殻の殻縁に小瘤状突起が並ぶもので,4種が発見された。外形はよく似ており,同定の面倒な種である。H.mizunoi(マルイボカイミジンコ)は,中型で,殻は厚く,側孔管が線状に見える。H.kibiensis(コイボカイミジンコ)は中型で,両殻片の背縁の前庭は殻の厚さより狭い。H.nipponica(シマイボカイミジンコ)はやや大型で,殻表に斜めのはっきりした褐色の縞模様がある。H.vulgaris(ヒダリイボカイミジソコ)はやや大型で,外形は前種によく似るが,殻表の後背部に薄褐色の大きな模様がある。.後2者は後背部に殻の厚さの2倍以上の前庭がある。ともに日本各地の水田に広く分布する。この属には他に,H.kaufmanni(VAVRA,1906)が長崎より報告されているが,筆者は確認していない。
  • 上平 幸好
    原稿種別: 本文
    1990 年19 巻 p. 13-26
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
    ナミノリソコエビ科端脚類の繁殖生態を明らかにするため,函館市大森浜で繁殖期に連続採集を行った。また,飼育観察を行って産卵回数を調べた。さらに岩内町大浜・瀬棚町三本杉海岸・伊達有珠海岸および鵡川町汐見浜で採集した繁殖期の標本を観察して以下のような結果をえた。(1)Haustorioides japonicusの繁殖期は函館で6月中旬から8月上旬までであり,この間に雌は通常1回の産卵をする。繁殖最盛期は6月下旬にあって,繁殖期に生息地個体群として4回(1980年)ないし5回(1977年)の産卵ピークを記録した。(2)産卵ピークは半月周期と一致しており,この同調は配偶子の放出時期をあわせることによって受精の機会を促進するためと考えられた。しかし観察した年によって同調には強弱があったので,H.japonicusでその意義を特に強調することは未だ研究の余地がある。(3)繁殖期前半の標本には,体長10.25mm以上の大型な成体雌の占める割合が高く(56.38%),後半の標本には小型な成体雌の占める割合が高かった(72.11%)。これは早い時期に大型雌個体が繁殖活動に入り,幼体の誕生後に死亡するためであった。(4)繁殖期前半の6月上旬から7月上旬までH.japonicusの体長と抱卵数との間には高い正の相関関係が認められたが(r=0.766〜0.795),繁殖期後半(7月中旬より8月上旬)にはやや相関が低くなり抱卵数は減少していて(r=0.462〜0.660),その抱卵数は繁殖最盛期の77・1%であった。(5)繁殖最盛期の一腹あたりの抱卵数はH.japonicusで,函館の雌の平均体長が9.75±0.25mmのとき77.6±20.4個であった。有珠の第1世代(8.98±0.53mm)では69.9±14・0個で,第2世代(6.68±0.50mm)では35.2±9.1個であった。岩内の第1世代(9.10±0.62mm)では80.4±14.3個で,瀬棚の第1世代(9.74±0.44mm)では86.5±9.63個であった。また,H.munsterhjelmiの抱卵数は平均体長13.43±0.68mmで105.50±15.04個であった。ナミノリソコエビ科は既知の端脚類に比べて,一腹あたりの抱卵数は非常に多いことが特徴的である。(6)H.japonicusの生活史は各生息地で微妙な違いが知られているので繁殖力に注目し観察したところ,第1世代で抱卵数に違いはなかったが,第2世代で顕著な違いが認められた。
  • 上平 幸好
    原稿種別: 本文
    1990 年19 巻 p. 27-42b
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
    (1)北海道南部の砂質海岸に生息していたナミノリソコエビ科端脚類の発生と生長を調べた。Haustorioides japonicusとH. munsterhjelmiの産卵は成熟した雌の覆卵葉からなる育児嚢中になされる。孵化した幼体は育児嚢から離脱したのち直ちに底生生活に入る。幼体は直達発生で全く浮游生活期がない。このため各調査地の潮間帯と亜潮間帯の浅海域で閉鎖的な生息地固体群をたしていると推察された。(2)二種の孵化直後の幼体は,成体と同じく腹筋側板と第3尾肢で形態的相違が明瞭に認められ,種レベルでの同定が可能であった。(3)H.japonicusの生長は各生息地で違いがあり,成体になるまでの生長率は伊達有珠で1日あたり54-61μmで最も大きく,函館で22-29μmで最も小さかった。早く成熟する個体ほど生長率が高く,また成体は小型であった。生長はGompertzの方程式で表現することができた。(4)育児嚢内の卵はその発育における形態から5ステージに区分できた。孵化直前のステージVまでにH.japonicusの卵減耗率は17.7-39.3%であって,H.munsterhjelmiでは41・4%であった。(5)H.japonicusの脱皮間隔は水温21℃で,成体雌では13-14日間,雄で15-17日間であった。飼育観察より孵化してから成体になるまでに第1世代で8-9回の脱皮がなされ,その回数は各調査地で多少の違いが認められた。また死亡するまでに最高で13回の脱皮が観察された。H.munsterhjelmiの脱皮間隔は水温20℃で,成体雌では19-22日間,雄で22-23日であった.両極とも雄が雌よりもわずかながら脱皮間隔は長かった。
  • 丹羽 信彰, 浜野 龍夫
    原稿種別: 本文
    1990 年19 巻 p. 43-54
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
    Three types of the life cycle of the atyid shrimp Neocaridina denticulata were observed in the Sugow River, Japan. A short generation cohort (type I) showed high growth at the high water temperatures occurring after hatching in early June ; many ovigerous females were observed subsequently in early and middle August and they died. A long generation cohort (type II) hatched in mid July and large females incubated eggs during late August and late September but they grew little at low water temperature from November to the following March and ovigerous females appeared again in May. Hatching of another long generation cohort (type III) occurred in late August ; growth recommenced after the months which of low water temperature ; and females incubated eggs during early June and early August. The population were consisted of two groups which took the same cyclic change of generation types, I→III→II→I→III→II→I→(continued), with time lag of a year each other. Growth equations over the life cycle for types I→III, including seasonal variation, ate described. The influence of mest size selection, by sweep nets, on sample size frequency distributions in also discussed.
  • 川井 唯史, 三宅 貞祥
    原稿種別: 本文
    1990 年19 巻 p. 55-61
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
    Individual density and reproduction of Cambaroides japonicus in a stream, the southernmost habitat of this species, Oodate City, Akita Prefecture, were studied from 1981 to 1989. Decrease of the animal density was caused by shallow depth indicating water volume of the habitat. The relationship between carapace length (X, mm) and number of eggs attached to pleopods (Y) was Y=-50.69+4.704X. In the stream, spawning season is March and April. Hatching is caused in June and July. An adult female spawns one time in a year.
  • 伊藤 円, 渡邊 精一
    原稿種別: 本文
    1990 年19 巻 p. 63-67
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
    Sexual dimorphism of Palaemon pacificus and P. serrifer were investigated during 1987 to 1989 in Tateyama Bay, Chiba Prefecture. It was found that both the rostral length and the number of segments of the inner branch of the bifurcated outer flagellum were larger in males than in females. The difference between male and female appeared nearly the size of the minimual ovigerous female. Difference between male and female on both the rostrum and the inner branch of the bifurcated outer flagellum appeared with maturing.
  • 富川 なす美, 渡邊 精一
    原稿種別: 本文
    1990 年19 巻 p. 69-71
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
    Observation upon the feeding habit of Eriphia smithii were made from May to September in 1988 at rocky shore near Banda Marine Station of Tokyo University of Fisheries in Chiba Prefecture. Observations were recorded, forty eight in total. Most foraged organisms for food were Polyplacophora and Patellacea (52.1%). Predation on Brachyura and Pelecypoda were observed seven (16.7%) and six (12.5%) times respectively. The other animal groups as food were observed less than four times.
  • 渡邊 精一, 山名 宏和, 富川 なす美
    原稿種別: 本文
    1990 年19 巻 p. 73-78
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
    東京水産大学坂川実験所(千葉県)地先におけるオウギガニLeptodius exaratusの繁殖について調査した。雌の腹節に第二次性徴が現れた。抱卵した雌は,6月から9月にかけて出現し,その最盛期は8月であった。抱卵および非抱卵雌の生殖腺熟度指数の変化から,一繁殖期に1-2回の産卵が推測された。
  • 安原 健允, 青山 基圭, 出口 吉昭
    原稿種別: 本文
    1990 年19 巻 p. 79-82
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
    タカアシガニMacrocheira kaempferiの卵を培養して,ゾエア1・2期,メガロッパを経過し稚ガニまでの完全飼育に成功した。1990年3月19日に駿河湾戸田村沖で漁獲したタカアシガニの抱卵雌1個体を静岡県下田市にある日本大学農獣医学部下田臨海実験所の水槽で飼育し,1990年5月27日にこのカニの腹肢から卵を採取し,腰高シャレー(90×72mm)に400mlの海水を入れ水温15℃で培養した。ゾエア1期は8月15日から18日の間に孵化した。ゾエア2期には8月25日から9月2日の間に,また,最初のメガロッパは9月7日にできた。メガロッパが脱皮をして10月5日に最初の稚ガニができたが,メガロッパの期間は28日であった。タカアシガニでは,今迄に稚ガニを得ることができなかったので,この稚ガニが最初の記録となる。その後,8個体の稚ガニができたので合計9匹の稚ガニを得た。幼生の飼育条件は,アルテミアのノープリウスを餌料として与えた。割合は飼育海水1ml中,3,6,10個体とした区からそれぞれ2,2,5匹の稚ガニが得られた。また,飼育用シャーレーの底には砂の他に貝殻を砕いて0.5mm程度の厚さに敷いた。海水の塩分量は3.2-3.4%,水温は常に15℃を保ち毎日換水した。稚ガニは,甲幅1.9〜2mm,甲長3〜3,3mmでやや丸形をしており,第2歩脚の差渡しの長さは,甲幅の約5倍程度である。体色は薄い茶褐色,脚に赤褐色の小さな斑点がある。体表全体に剛毛が生えており,餌やアルテミアの死殻などを付けている。額棘は成体のカニと同様に左右の額棘と下に向く一つの額棘とで三角を呈して,タカアシガニの特徴を表わしている。
  • 福井 康雄
    原稿種別: 本文
    1990 年19 巻 p. 83-90
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
    室内飼育下で,ヒライソガニの成体について個体毎の産卵,幼生放出,脱皮を調査した。産卵と幼生放出は,4月から11月にかけて行われた。脱皮はほぼ年中見られたが,冬には少なくなった。また,繁殖シーズンが終わると,大部分の個体が脱皮した。雌の各個体の産卵頻度は,体の大きさとは相関が見られず,むしろ脱皮を行う時期により影響されていると考えられた。雌の受精嚢内に貯えられている精子は,脱皮によっても失われず,この精子で3腹の卵を受精できる場合があった。
  • 原稿種別: 付録等
    1990 年19 巻 p. 91-
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1990 年19 巻 p. 91-
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1990 年19 巻 p. 92-
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1990 年19 巻 p. App2-
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1990 年19 巻 p. Cover3-
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1990 年19 巻 p. Cover4-
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2017/09/08
    ジャーナル フリー
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